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教育学専攻その他

「公認心理師」「臨床心理士」ダブル合格した修了生に聞きました(その1)

2019-05-27

 教育臨床心理学コースの大学院生は、在学中に必要な単位を修得すると、修了1年目の秋に臨床心理士資格試験を受験することができます。昨年9月には国家資格である公認心理師試験も日本で初めて行われ、公認心理師・臨床心理士の2つの資格をもつ修了生が誕生しています。

 その中から、今回は2期生のOさんの体験談を聞きました。

ー心理の仕事に興味をもったきっかけは?

 

 中学生の頃、いろいろなことで悩んでいた時期があり、その時に「心とは何か?」と思うようになりました。また、クラス担任の先生が悩んでいる話をよく聴いてくださったんです。否定せずにうんうんって聴いてもらえることで安心したという経験が、「人の話を聴く」ということへの興味につながったのかなと、いま振り返ると思います。

 その後、高校の「総合学習」の時間に、不登校について調べる機会があり、その時に初めてスクールカウンセラーのことを知りました。「心理の仕事」の内容や条件について、具体的に興味をもったのはこの時です。

 

ーOさんは内部進学(教育学部教育心理学科卒)ですが、大学に入学してからも、迷いはなかったんですか?

 

 いえ、ありました!教育心理学科では養護教諭を目指すこともできるので、1、2年の時は養護教諭という進路も考えていました。でも実際に勉強してみて、私がやりたいのは心理の仕事だということがはっきりしたので、3年次からは心理一本に絞りました。けれど3年後期になって、一般企業の就職活動の話を聞くようになると再び心が揺れて…心理専門職として就職できるか、ちゃんとごはんを食べていけるのか、と不安になりました。その時は親に相談し、「自分がやりたいことをしたらいいよ」と背中を押してもらって、心が決まりました。

 

ーその時も、悩んでいる時に話を聴いてもらうという経験があったんですね。その後は?

 

 そうですね。そうやって悩んだり相談したりすることも必要だったんだと思います。そのあとはまっすぐ進んだ感じです。大学院では授業の多さに驚きはしましたが、もう迷いはありませんでした。

(B館院生控室にて、大学院の後輩と。新A館建設を控え、新しくなっていくキャンパスの様子を見学)

ー実際に心理専門職として就職した時は、どう感じましたか?

 

 私は医療福祉施設に心理判定員として就職しましたが、現在は研修期間で、重度の障害をもつ子どもたちの病棟で他職種のスタッフと一緒に勤務しています。食事、入浴、オムツ交換など、生活場面での介助を担うことになり、初めは「知らないことが多すぎる!」と感じました。

 

ーかなり戸惑いがあったんですね? 

 

 カウンセリングは1対1で対話をするもの、それが心理専門職の仕事、というイメージでしたから、病棟での子どもたちの介助はそれとは全然違うものに思えました。心理学の勉強をしてきたことがここで活かせるだろうか、私は何をやっているんだろう、と思ったり。

 でも、慣れてくると、心理学の勉強が活かせる部分が見えてくるんです。今はそのことがだんだんわかってきました。心理ならではの視点を活かして、他職種のスタッフと、子どもたちのことを話し合えるようになってきたと感じます…

 

その2に続きます)