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薬学科研究・産学連携

【薬学部】山本浩司講師らによるフェノチアジン環状六量体を用いた「土星型分子」形成に関する研究が発表されました

2024-04-18

 本学薬学部、有機機能分子化学研究室の山本浩司講師は、群馬大学の中村先生、岡山理科大学の若松先生との共同研究により、フェノチアジンからなる環状分子を用いて分子で「土星」構造をつくることに成功しました。フェノアチジンは精神安定剤、染料などの母骨格として用いられる代表的な複素芳香族化合物です。本論文では、このフェノチアジン6分子を連結した環状分子を開発し、その分子内孔のちょうど中央に球状分子フラーレンC60が取り込まれ、土星型分子が生成することを確認しました。さらに、この土星構造の形成には硫黄原子とフラーレン表面の相互作用が重要であることを理論計算より考察しました。ナノサイズの複雑な分子集合体の設計法の一つとして活用されることが期待されます。
 本研究成果は化学分野の代表的雑誌の1つである Chem. Commun. (Impact factor: 6.222) に採択されました。

【論文情報】
論文名:“Phenothiazine cyclic hexamers: synthesis, properties, and complexation behavior with C60”
著者: Koji Yamamoto*, Kanta Tsutsui, Miho Tanuma, Kaname Ito, Kan Wakamatsu, Koji Yamamoto, Yosuke Nakamura,*(*責任著者)
掲載誌: Chem. Commun. 2024, 60, 2220–2223.
リンク:https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2024/cc/d3cc06206f