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表現文化学科講演会・集中講義等

令和2年度 表現文化学会総会・公開学術講演会が開催されました。

2020-11-09

日程:2020年11月7日

令和2年11月7日土曜日、2020年度表現文化学会学術講演会が開催されました。文筆家・編集者の吉川浩満さんに講演をしていただきました。オンライン講演でしたが大きなトラブルにも見舞われず、予定通り実施できました。会場には今年度本学科入学生75名を招き、感染防止対策をしたうえで講演を聴いてもらいました。2~4年生にはウェブクラス上で視聴してもらいました。吉川さんには東京のご自宅のアトリエからお話しをしていただきました。 吉川さんはご自身のご出身である鳥取と岡山の関係に触れ、高校までの学生時代には岡山によく行き、都会を満喫していた旨を述べられて、会場を和ませていました。ご自身の経験をもとに具体的に、身近な、身の丈の話題を出しながら話を進めていかれたので、会場にいた一年生にとってもたいへんわかりやすく、実感を伴って心に入り込む講演内容でした。吉川さんは、ご自身にとっての理想でありながら自分にはできそうもないと考えていたという三つの言葉を紹介してくださいました。一つは「少年よ大志を抱け」(クラーク)、もう一つは「私は天才ではありません。ただ人より長く一つの事柄とつきあっていただけです」( アインシュタイン )、そして「才能とは続けられること」( 羽生善治九段 )です。いずれも人生の指針となる理想を示していますが、吉川さんご自身は、自分はつねに一つのことを続けられず大志を抱いたこともありませんでした、とユーモラスに、しかし実直に自らのことを語ってくださいました。これらの言葉を紹介してから、氏はご自身の職歴にかんたんに触れられましたが、これについても飾らず赤裸々に語っておられました。そして、仕事は自分の関心に沿ったものであると同時に、生活するための糧を得る労働という面もあれば、他者との関わりの中で社会や政治を良くしていく活動という面もあるので、今、大学で学んでおられるみなさんには、将来、社会の中で様々に活躍していただきたい。そのために、大学で学ぶという習慣をしっかり身につけてほしい。この習慣(問題を立てる・調べる・考えをまとめる・言葉で伝える)は一生役に立ち、仕事・労働・活動という三つのどの面にも必ず役立つ習慣ですから、として、最後に、生きていくのがつらくなったら、中島みゆきさんの「ファイト」を聴くことをお薦めします、と述べて、講演を締めくくりました。吉川さん、どうもありがとうございました!(文責:松本潤一郎)