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総合歴史学科 教員の活動

ポーランドで研究報告をしてきた様子をお伝えします。

2024-10-15

 2024年9月16日(月・祝)から23日(月・祝)まで、ポーランドへ研究出張を行いました。主な目的は、国際社会学会(ISA)の部会のひとつであるRC25 Language & Society会議RC25 ISA midterm conference in Warsaw)で報告をすることでした。会場は、ワルシャワ市内にあるマリア・グジェゴシェフスカ大学でした。

 19日午後のSession 4: Team of Drug-Induced Suffering (DIS) researchで、An Analysis of the Aim for Education of Drug-induced Suffering in Japan(「日本における薬害教育のねらいに関する考察」)というテーマで報告を行いました。薬害は副作用とは意味が異なり、人々の相互行為によって生じる現象です。薬害という概念は、単に医薬品による健康被害という意味にとどまらず、人々の生活や人生に与える被害も含意しています。今回は、日本独自といわれる薬害という概念の成り立ちを紹介したうえで、日本における薬害教育の動向とそのねらいについて報告しました。セッションでは、薬害研究を推進してきた研究グループのメンバーを中心に5名が各報告し、フロア参加者と意見交換を行いました。

 今回の出張では、研究報告とあわせて、各種博物館や資料館の見学も行いました。17日・18日は、アウシュヴィッツ・ビルケナウ博物館やクラクフ旧市街地の見学を行いました。アウシュヴィッツ・ビルケナウ博物館では日本語ガイドの方の案内のもと、強制収容所として利用されていた施設内の展示を3時間ほどかけて見学しました。ガス室のほか、残された膨大な数のカバンやくつ、眼鏡、髪の毛、身体装具などの展示は印象深く、多くの人々の人生がこの場所で剥奪されたということを改めて実感しました。

 このほか、20日に、アーカイブズ研究を行う日本の研究者らとともに、State Archives(国立公文書館)を訪問しました。施設見学とともに各担当者より古文書の保存に関する解説を受けました。また21日は、ワルシャワ蜂起博物館とポーランド・ユダヤ人歴史博物館を見学しました。これらの施設見学を通して、国際的な紛争で多大な影響を受けてきたポーランドの歴史を学ぶ機会となりました。

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(文責:中塚)