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お知らせ 就実公開講座

後期第1回 平成29年9月30日(土)

2017-09-30

「健やかに過ごすための感染対策

 

塩田 澄子(薬学部 薬学科 教授)

 

2017年度後期の公開講座が、薬学科教員により「未病」をテーマとして始められた。

初回は塩田教授により「健やかに過ごすための感染対策」の観点から、感染の仕組み、抗生物質(抗菌薬)、ワクチン、これから迎えるインフルエンザ感染への対策を解説された。

 

最近、話題となった「食品に由来したO157感染」では対策として衛生的処理・加熱・冷却が重要であること、「マダニ媒介による重傷熱性血小板減少症STFS」では素人療法でなく医療機関を受診すること、などが示された。これらの例から、感染症成立の3要素について理解を深めた。菌の有用性などを紹介されたのち、戦争時における負傷から死亡に至っていた状況が抗生物質を汎用する契機となったことを示しつつ、ペニシリンやストレプトマイシンなどの使用により結核や肺炎などが治療され、死亡原因の変化に大きな影響を与えたことが示された。しかし、不適切な使用により耐性菌を誘導してしまったことも紹介され、薬が指示通り飲み切ることの重要性を示された。インフルエンザウイルスを例に、ヒト、トリ、それぞれのウイルスの相違を示され、ブタでは両者の相違を飲み込んでしまうため感染拡大の仲介役となっていることが示された。また、生活面では咳エチケットの重要性、手洗い、マスクの励行などの有用性を示された。「ノロウイルス患者への対応」では患者の吐しゃ物や下痢便への消毒が重要であること、脱水状態への補水の点では給水の良い水の作り方を示され将来の対策として提案された。