就実大学・就実短期大学

表現文化学科

対話演習

2010年度教養対話演習

2010年度教養対話演習

教養対話演習は1年次の後期に開講され、基本的なコミュニケーション能力の向上と医療人としての心構えを養うことを目的として、外部講師による講演、高 齢者疑似体験、救命救急講習、医療倫理に関するテーマについて小グループで討議(SGD)や発表などを行います。本年度の演習の様子を紹介します。

 

1.薬害被害者の方の話を聞く

「陣痛促進剤による被害を考える会」代表の出元明美先生によるご講演
「陣痛促進剤事故の構図 ~事故から学び、事故を未然に防ぐ ために~」という演題で、お話しいただきました。先生ご自身の経験から、薬は使い方を間違えば死に直結するものであることを訴えられました。学生の心にも 印象深く残ったことと思います。医療事故を防ぐために薬剤師として何が出来るのかを考えされられる内容でした。

 

2.現役薬剤師の話を聞く

津山中央病院薬剤部、薬剤部長近藤祥代先生によるご講演
「医療人としての患者対応」という演題で、患者さんへの対応について、具 体例を挙げられわかりやすくお話しいただきました。薬剤師の先生のお話を聞くことは学生にとって初めてであり、どのような薬剤師になりたいか、薬剤師に とって大切なものは何かを考える機会となりました。また、先生の「笑顔が基本」という言葉は、学生の心に強く残ったようでした。

 

3.救命救急講習会

心臓病センター榊原病院外科部長兼救急部長の津島義正先生をはじめとして「NPO救命おかやま」の8名のスタッフの先生方をお招きしてご指導いただきま した。救命救急の意義、胸骨圧迫による心肺蘇生法、自動体外式除細動器(AED)の操作方法、そしてシナリオに基づいた様々な状況下での救命など、わかり やすく教えていただきました。

 

4.高齢者疑似体験

高齢者疑似体験セットを装着し、日常生活や薬局での場面を想定した体験をしました。この体験を通じて、高齢者の気持ちや苦労を理解することができ、高齢者に対する意識が変わるきっかけとなり、対応についても考える機会となりました。

 

5.医療倫理に関するテーマについての小グループで討議(SGD)

「安楽死」、「トリアージ」、「胎児診断」、「臓器移植」をテーマとして、グループに分かれKJ法を用いたSGD、ディベートを行いました。KJ法を用 いた各テーマについての問題点の抽出、続いて、「重要度」と「緊急度」から解決すべき問題点の決定と解決策についてグループで討議し、発表を行いました。 更に、解決策について「○○を実施すべし」という論題でディベートを行い、各テーマについて深く掘り下げて討議を行いました。

 

6.発表会

最後には、これまでグループで話し合ってきた内容についてパワーポイントを用いて発表を行い、投票により、各テーマの代表グループを決定しました。代表 グループは、五味田薬学部長より表彰状が手渡されました。演習の最後には、五味田薬学部長より全学生に演習の努力に対するお言葉や目指すべき薬剤師像につ いてのお話があり、15回の演習が終了しました。

 

本演習により、学生から「講演会では、これから医療人となるために大切な事を知ることができ、有意義で有った。」、「医療に関わるテーマについて深く掘 り下げて考えることができた。」、「グループワークは、初めは戸惑ったが、意見を出し合い協力して作業を進めることが出来た。」、「演習を通して、コミュ ニケーション能力が身についたと思う。」などの感想が寄せられました。この演習の中で、学生意識が変わっていくことが感じられ、将来医療人となることの自 覚が芽生えてきたようでした。

 

 

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教養対話演習・薬学対話演習I,II

3年生の薬学対話演習Ⅰにおいて、ドラッグストア・薬局での場面を想定し、グループ討議やロールプレイによって学習しました。(H21年 10/19, 26, 11/16, 26, 30, 12/7, 14, 21, 25の計9回)

ドラッグストアで何か薬を探している患者さん、あるいは、街頭の薬局で「禁煙相談にのります」という掲示を見つけて相談に来た患者さんに対して、薬剤師はどう対応したら良いのでしょうか。本演習では、症例シナリオ(テーマ:①一般用医薬品;鼻炎のくすり、②一般用医薬品;胸やけのくすり、③禁煙指導)を用いて、5~6名での小グループで薬剤師の対応について討議をした後、患者役と薬剤師役の1対1のロールプレイ演習を99名の学生が全員で行いました。また演習の中ではNPO法人 響き合いネットワーク・岡山SP研究会の模擬患者さんが計2回来てくださり、患者役を演じたり、アドバイスをくださったりしてご協力くださいました。
地域のドラッグストア・薬局においては、生活に支障となる症状を治そうといらっしゃる方、あるいは、入院を必要とするような病気を抱えていても、本人は気づかずなんとなく相談される方など、様々な患者さんやそのご家族の方に対応しなければなりません。 1, 2年生のときに学習したコミュニケーションの基礎、および、本演習と並行して学んでいる薬理学、薬剤学、病態生理学などの知識を用い、症例シナリオに関して学生さんが自分たちで話合い、考えて、模擬の患者とロールプレイすることで、主体的かつ積極的に学ぶことができました。また、3つの異なるテーマに対して繰返し学習することで、はじめは気づかなかった、忙しそうな患者さんへの配慮や、にこやかに温かい雰囲気で接することの重要性に気がつき、ロールプレイにおいてなんとか実践しようと努力する学生さんの様子が伺えました。3クールが終了するころには、現場の薬剤師さんのようなロールプレイをする学生さんも見受けられ、模擬患者さんからも絶賛していただきました。

 

患者さんが抱える問題を、
グループで考えています

学生は、互いに患者役と薬剤師役
としてロールプレイを行っています

 

代表者のロールプレイを見て、自らをふりかえっています

 

 


 

1年生の教養対話演習において「高齢者疑似体験」の研修を行いました。(平成21年10月19日・26日)

高齢者特有の身体的特徴を理解し、日常生活において、また将来薬剤師として医療機関等における高齢者とのコミュニケーションに役立つよう高齢者疑似体験を行いました。 内容は、高齢者疑似体験セットを装着し、「階段の登り降りをする」、「指示されたものを買物し、お金を支払う」、「薬袋から薬を取り出す」、「病院の受付申込用紙に記載する」など、日常生活や薬局での場面を想定した体験をしました。 また、介助者役にもなり、適切なサポートについて考えました。 体験は、学生にとって多くの気づきがあり、高齢者の気持ちを考える良い機会となりました。

歩行の大変さを実感します 説明書を読むのも一苦労です

1年生の教養対話演習において、救急救命の講習会を行いました。(平成21年10月19日)

心臓病センター榊原病院外科部長兼救急部長の津島義正先生をはじめとして「NPO救命おかやま」の8名のスタッフの先生方をお招きしてご指導いただきました。 講習会の目的は、将来の医療従事者としての最低限の救命知識と技術を習得すると同時に、生命に関わる医療人となることを自覚し、それにふさわしい行動・態度をとるために必要なこころ構えを身につけることとしています。 先ず、救急救命の意義、大切さ、そして心臓マッサージの原理や正しいやり方など、津島先生の解説を交えてスライドやビデオを見ながら学びました。 その後、実際に、人形を使って、胸骨圧迫による心肺蘇生法の練習、自動体外式除細動器(AED)の操作方法、そしてシナリオに基づいた心肺蘇生法とAEDの組合せ方など、様々な状況での心肺蘇生を練習しました。 音楽を取り入れたり、シナリオを使った体験は、非常にわかりやすく、短時間でしたが充実した講習会でした。 講習会を通して、「私にもできるかもしれない。」、「心肺蘇生が必要な状況に遭遇したら、勇気をだして人命を救いたい。」など、学生達の意識が変わったようでした。

 

心肺蘇生法の説明を受ける学生達 シナリオに沿った心肺蘇生の練習風景

一年生の教養対話演習において、薬剤師本郷純江先生に「今薬剤師として思うこと」と題し、講演していただきました。(平成21年10月15日)

講師の本郷純江先生は現在財団法人積善会ひがしもん薬局の薬局長を務めておられますが、病院薬剤師としても長い間医療に携わってこられました。病院、薬局両方を経験してこられた先生ならではの視点で、医療人である薬剤師に求められることを自らの体験をもとにわかりやすく説明していただきました。
患者が必要とする医療を提供するためには薬剤師としての確かな知識、技術を持つことはもちろんですが、提供した医療を患者が受け入れてくれるかどうかは患者との信頼関係にかかっています。患者と情報を共有し合い、患者の求めることをくみ取って対応するにはコミュニケーション能力は不可欠とのことでした。本郷先生が「『あの薬剤師なら…』といわれるような薬剤師になるよう努力してほしいと言われた言葉は学生たちの心の中にしっかりと伝わりました。

[学生の感想]

私は医薬分業を成立することが困難で、患者さんに向き合うこともできない時代があったなんて知りませんでした。本郷先生はその時代も体験し、今も素晴らしい薬剤師として活躍されています。先生は過去を知っているからこそ今薬剤師にできることを最大限に尽くされているように感じました。特に印象に残った事は先生が薬剤師について話す目がキラキラしていたことでした。こんなに自分の職業を誇りに持って話ができる人に出会えて、ただ薬剤師になれることを望んでいた私はなんだか恥ずかしくなり、そして先生のような人に出会えて私は恵まれているとこの今の環境にも感謝しました。私も将来キラキラした目で本当に薬剤師という職業を自分が出来ることに感謝しながら仕事に励めるような薬剤師になりたいと思いました。勉強は自分が薬剤師になるためだと思っていました。先生は患者さんのためだともっと頑張れるとおっしゃいました。(中略) 立派な薬剤師になる前に立派な人間になりたいと心に誓いました。

 


教養対話演習、薬学対話演習I,薬学対話演習IIが始まりました。(平成21年10月5日)

教養対話演習は1年次後期、薬学対話演習Iは3年次後期、薬学対話演習IIは4年次後期に開講されます。教養対話演習では、基本的なコミュニケーション能力の向上と医療人としての心構えを養うことを目的として、「生命」や「医療倫理」をテーマとして小グループで討議(SGD)を行います。薬学対話演習では、教養対話演習で習得したコミュニケーション能力を発展させ、臨床現場において必要なコミュニケーションの理論と技術を身につけることを目的としています。薬学対話演習Iでは、たとえば患者や家族の心理を配慮したコミュニケーション能力を身につけるためにSGDやロールプレイを行い、薬学対話演習IIでは、症例に基づく疑義照会や服薬指導について実践形式で演習を行います。

本演習を開始するにあたり、NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(Consumer Organization for Medicine & Law)辻本好子先生をお迎えして、「患者が望む薬剤師とは」と題してご講演頂きました。辻本先生は、約20年間、COMLの活動を通して、患者の主体的な医療への参加を呼びかけてこられています。ご講演では、患者さんと医療者の意識の違いはどのようなことがあるのか、患者さんの医療に求めるものは何か、またそれに対して提供者側である医療者に何が欠けているのか、そして薬剤師としてどのように向き合っていくべきかなど患者さんの相談内容や先生ご自身の経験を交えて話してくださいました。先生の心のこもった力強いお話は、これから医療人を目指す学生の心に強く刻まれたと思います。

 

辻本好子先生の講演会の様子 コミュニケーションにおける「一言」の大切さを教えていただきました。

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平成22年度 SPロールプレイ演習(薬学対話演習) 12月20日

有効で安全な薬物療法を行うためには、患者やその家族の心理状態を理解し、その方に本当に必要な情報を提供することが重要です。本学のコミュニケーション教育の大きな柱である薬学対話演習の一環として、薬学部3年生の全員が学外の模擬患者 simulated patient; SPさんと一対一のロールプレイ※を行いました。これは岡山県の薬学部で初めての取り組みとなります。

 

 

 

 

 

 

※ロールプレイ; role play、役割劇。患者役と医療者役を決めて医療面接を模擬的に演じること

 

学生さんは薬学部3年生になって初めて医療者としての医療面接を体験しました。このロールプレイに備え、事前に2週間かけて準備を行いましたが、だんだん本番が近づくにつれて、「緊張します!」や「本当に私にできるかな?現場の薬剤師さんってすごいですね」などの声が出てくるようになりました。
そして迎えたSPロールプレイ演習の当日には、全員が白衣を身にまとい薬剤師になりきって患者(模擬患者)さんと5分間のロールプレイを行いました。

 

その間に、何を話してよいか戸惑い、緊張のあまり目が泳いでしまう学生さんも見受けられましたが、ロールプレイが繰返し行われていく中で他人のロールプレイを参考にし、患者さんの目をしっかり見て、声にうなずき、そして問いかけられた質問に対して必死に答えようと頑張っていました。特に印象的だったのが、後半のロールプレイになってくると、学生さんは自然に立ち上がり、笑顔をもって患者さんを出迎えるようになっていました。この演習を通して、学生は患者さんの声をしっかり聴いて医療に対する不安を取り除くことが、薬剤師としてとても大切なことだと実感している様子でした。
最後に、本演習にご協力頂きました18名の岡山SP研究会の皆さんに、この場を借りて厚く御礼申し上げます。