2018.10.10 

潜在保育士復職支援研修会

幼児教育学科:平成30年度 潜在保育士復職支援研修会の報告

昨年度に続き、潜在保育士復職支援の研修会を以下の日程で実施しました。本研修会は、卒後リカレント教育研修も兼ねており、受講者の中には現職の保育者も参加しています。研修会は以下の日程で実施しました。各講義概要と感想を紹介します。次年度も引き続き研修会を継続する予定です(詳細は、本ホームページにて、来春告知予定です)。

 

① 乳児保育 (8/18 10:00-12:00)

理論編として、昨年改定された保育所保育指針の中で、乳児保育に関係する3歳未満児の保育や養護の重要性、保育所の教育機関として位置づけ及び職員の研修体制の強化について解説した。実技編としては、乳児期の遊びについて、心身の発達を踏まえて紹介し、保育記録については、乳児個人指導計画、乳児保育日誌、児童票の資料を配付して説明した。

受講者による感想 

指針改定のポイントをおさえることができて良かった。現場でどう対応していくか,困っている状況もあるが,子どもたちの豊かな育ちのために,保育者が変わっていかなればならないなと感じた。時代の変化に対応しつつ,保育の本質は変わらず,「子どものために」であるべきだと改めて感じた。

 

② 幼児体育(8/18 13:00-15:00)

現在の子どもを取り巻く健康問題について講義を行い,その問題を予防・改善させるための一助となる運動遊びを紹介した。前半は,乳児期の子どもに考えられる問題を解説し,乳児の抱き方や乳児期に経験させておきたい運動を取り入れたふれあい遊びを紹介した。後半は,「幼児期運動指針」を解説し,幼児を対象とした保育現場で人気のあるリズム体操や運動遊びを紹介し,実際に体を動かして体験した。

受講者による感想 

幼少期から遊びを通して身体を十分に動かすことで発達を促すだけでなく、その運動経験が将来大人になっても活きてくるとのことで、運動や健康の大切さを知れて良かった。

 

③ 教育相談(8/29 10:00-12:00)

 「子どもや保護者の発達によりそう」をテーマに,幼児期の特徴と生涯を通じての影響,各発達段階における問題行動や様々な行動への関わり方,保護者に対する支援について講義を展開した。各発達段階で起こりがちな問題行動の事例を元に,受講生はグループ討論で意見を交換した。また,保育者がゆとりを持つことで,気持ちに寄り添った対応ができることに触れ,まず保育者が心の健康を保つことの大切さを伝えた。

受講者による感想 

実際に起こりそうな相談内容の事例がいくつかあり,とても参考になりました。また,いかに乳幼児期が人間形成において大切な時期か,あらためて勉強させてもらいました。

 

④ 器楽(8/29 13:00-15:00)

前半は、コードネームについて説明し、各々がピアノを実際に弾きながら、コード伴奏は保育現場での子どもの歌の弾き歌いやその他の音楽活動にも大変役立つものであることを体験してもらった。後半は、ペットボトルを使って楽器を製作し、学生が授業で作った手作り楽器も加え、知育楽器ドレミパイプと共に参加者全員で合奏した。簡単なリズム遊びを繰り返しながら色々な楽器で一緒に音楽を作り上げていく楽しさを実感してもらった。

受講者による感想 

ピアノを習っていたのは昔で、何十年ぶりに触れたが、とても楽しかった。ピアノコードがわかりやすく、難しく捉えることなく弾けることがわかり、安心した。

 

⑤ 特別支援(9/8 10:00-12:00)

 講義の前半部分では、特別支援教育に関する基本的な理念や教育行政の動向、発達障害とはどのような障害であるかについての基本的事項について概説を行った。特に、発達障害に関する多くの誤解や偏見が、実際の支援を難しくしている現状や、診断名が独り歩きすることの危険性について紹介したのち、放置することによる二次障害のリスクや、支援をするためには適切な知識が必要であることを示した。後半部分では、『気になる子ども』との関りを円滑にするための、具体的な支援方法や留意点に関して紹介した。また、子どもの気持ちに寄り添うために、具体的な特徴がどのような不適応を起こし得るかについても解説を行った。

受講者による感想 

発達障がいがある、無いに関わらず、共に生活していく上で、気持ちよく生活できるように支援するという考えが大切だと感じた。特別な対応をするのではなく、わかりやすい言葉や指示をすることでできると分かり、とても為になった。

 

⑥ 潜在保育士情報(意見)交換会 (9/8 13:00-15:00)

岡山市保育支援センターの担当者及び昨年の受講者で、復職を果たした方2名を講師に招いて開催した。参加者から、以下の質問(復帰しようと思った経緯は、去年保育士の資格をとったため今まで保育士をしたことがなくて不安だが大丈夫だろうか体力的にきつくないか、子育てとの両立は、研修する場はあるのか等)があり、それに対して丁寧な回答は、参加者の背中を後押し、有意義な会となった。

受講者による感想

保育士として働いている方の声を聞け,とてもよかった。入ってみてわかったこと,入ってみたらわかったことを聞け,とても参考になった。不安もあるが,前向きに取り組めたらと思う。

 

⑥ 就実こども園での体験学習(9/11 9:00-16:00, 9/15 9:00-16:00)

平日と土曜日の2日間、9時から16時まで3歳未満のクラスで実際の保育を体験した。初めて子どもと関わった方も多く、最初のうちは戸惑いも見られた。徐々に慣れ率先して担任保育士の補助をしたり、積極的に子どもと関わってみるなど、日常の保育業務を体験した。

受講者による感想

子どもたちの笑顔に,今日大丈夫かなぁという不安をかき消してもらった。みんなが「先生」と呼んでくれ,とてもうれしく思う。担当の先生方の子どもたちへの接し方,ゆっくり丁寧に話す,いけないことはわかりやすく伝える,できたことはほめる,とても勉強になった。

 

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