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研究・産学連携

北村佳久教授の研究グループが全身炎症モデルマウスの不安症状に対して補中益気湯は改善作用を有することを発表しました

2022-07-06

補中益気湯は炎症によるIL-6分泌を抑制することにより、抗不安効果を発揮する

 就実大学薬学部薬物治療学の北村佳久教授と岡山大学病院薬剤部の千堂年昭前教授の研究グループはリポポリサッカライド(LPS)投与した炎症モデルマウスの不安症状に対して補中益気湯は改善効果を示し、その作用には炎症によるIL-6分泌増強に対する抑制作用が関与することを明らかにしました。本研究成果は「frontiers in Pharmacology」(IF=5.988)に6月29日付けで受理されました。
 全身炎症により不安症状を呈することは知られていました。本研究では炎症による精神機能変化の病態像およびその変化に対する漢方薬(補中益気湯)の有用性を明らかにしました。本研究は現在社会で問題となっている新型コロナウイルス感染症による炎症状態後の後遺症(倦怠感、不安、うつなど)の病態解明および治療薬の創薬研究につながると期待されます。

■論文情報
論文名:Anxiolytic-like effects of hochuekkito in lipopolysaccharide-treated mice involve interleukin-6 inhibition.
掲載紙:frontiers in Pharmacology (in press) IF=5.988
著者:Ushio S, Wada Y, Nakamura M, Matsumoto D, Hoshika K, Shiromizu S, Iwata N, Esumi S, Kajizono M, Kitamura Y* and SendoT   
*:Corresponding author