就実大学 人文科学部 総合歴史学科

2025.03.05 

【シリーズ〜卒業研究を振り返って〜vol.3】2024年度 卒業研究体験記

在学生の紹介

 「シリーズ〜卒業論文を振り返って〜」の第3回です。卒業研究の取り組みを振り返り、その方法や学びについて綴ってもらいました。

 

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坊田 皓洋(井上ゼミ)

 私の卒業研究のテーマは「戦陣訓(1941)から読み取る軍人精神」です。この研究テーマに決めた理由は、曽祖父が陸軍下士官学校に在学していた時の日記といった1次史料があったからです。1次史料があったため、研究の方向性はすぐに決まったのですが先行研究の収集や必要な文献を集めることに苦労しました。また、文献を読んでいくうちに自分の中で決めつけてしまうこともあり、広い視野で研究を進めていくことの難しさを実感しました。

 卒業研究は、3年次から執筆し始めました。まずは、1次史料の読み込みからはじめ、ある程度内容を把握してから、先行研究や文献を集め始めました。「戦陣訓」を取り上げているので、収集する参考文献の数が多く大変でした。1次史料の内容把握も大変でしたが、曽祖父が当時何をやっていたのか、また日本陸軍が下士官学校でどのような教育を行っていたのかを知ることができ、楽しく読み進めました。私は、曽祖父の日記などといった1次資料から研究を進めることが出来たので運がよかったと感じています。興味があっても、手元に史料があるのと無いとでは取り組みやすさが違ってくることを友達の様子から凄く感じました。もし、1次史料を持って大学に入学されるなら、その史料をもとに研究をしてみるのもいいかと思います。

 私は、1年半ほどの時間をかけて卒業研究を行いました。その間に、就職活動を行ったり、学芸員課程を履修していたので実習に行ったりもしました。そのため、卒業研究を行う際には、スケジュール管理や史料の整理をして、あとから確認できるようにしておくことがとても大切だと感じました。大学の最後は、卒業研究に集中すればいいと思っていましたが、就職活動や資格課程もあり思ったようにいかないことが多々ありました。就職活動と卒業研究を同時に進めていくことは大変ですが、自分が成長できるいい機会になったと思います。

 

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 吉沢 大希(井上ゼミ)

 題目は「A級戦犯はなぜ合祀されたか」です。靖国神社には東京裁判でA級戦犯として刑死した者が祀られています。A級戦犯が靖国神社に祀られた理由を研究しました。

 大学の12年次は岡山県立図書館を利用しました。単行本だけでなく新聞や雑誌など自由に読みました。3年次にテレビで「全国戦没者追悼式」を見ました。その時に「どんな思いで戦没者を追悼すればよいのか」と疑問に思い、戦没者について調べ始めました。調べる中で「靖国問題」を知りました。そして4年次に靖国問題の発生した原因である「A級戦犯の合祀」がなぜ行われたか、を卒業論文の題目に設定しました。

 資料収集は読んだ本の後ろの方にある「参考文献一覧」に記された資料をたどる形で行いました。「参考文献一覧」には私の研究内容と遠い資料もあったが、近しい内容の資料を簡単に見つけられました。この方法で、靖国問題研究の大まかな動向を把握できたと思います。靖国問題の資料はいずれも日本語で、かつ現代語で記されているため読解には苦労しませんでした。資料を読む時はノートを用意し、重要な箇所とそのページ番号などをメモに残しました。執筆の際に役立ちました。

 執筆はまずレジュメのように要点を書き、後に文章にしました。1つの文章が長くなり過ぎないように、誤字脱字のないように、何度も読み返して校正しました。

 執筆の際、用語の選択に予想以上に時間がかかり苦労しました。例えば「A級戦犯として刑死した者」を何と呼称するかです。彼らの呼称には「A級戦犯」と「昭和殉難者」の2通りあります。呼称については既に議論がなされ、結論が示されています。適切な用語を選択するために時間を割きました。

 卒業研究を通じて学んだことは歴史を振り返ることの大切さです。私の卒業研究では靖国神社の歴史を分析することで新たな論点を提起することができました。

 最後に、研究にあたって指導教員の井上教授および同ゼミ生のご協力を賜わりました。深くお礼申し上げます。

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