就実大学 人文科学部 総合歴史学科

2023.03.06 

【シリーズ〜卒業研究を振り返って〜vol.2】2022年度 卒業研究体験記

在学生の紹介

 「シリーズ〜卒業論文を振り返って〜」の第2弾です(vol.1はこちら)。卒業研究の取り組みを振り返り、その方法や学びについて綴ってもらいました。

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平松 千春(吉本ゼミ)

 

 私は「倉敷市美観地区の景観について」というタイトルで卒業論文を書きました。倉敷市出身の私にとって美観地区は身近な存在であり、訪れるたびに景観が変化している様子に興味をもったため、卒業研究にこの題材を選択しました。内容としては、まず美観地区の成り立ちや特徴について記述しました。そのうえで、重要伝統的建造物群保存地区の制定と関連した条例によって景観が保護され、古民家再生等によって変化した様子について書きました。また、比較対象都市として小江戸として知られる倉の町並みがある埼玉県川越市について調べ、そこから美観地区の課題と今後について考察しました。

 テーマを決めてからは何度も美観地区に足を運び、現状や古民家再生の工事が行われている様子を写真に記録しました。また、内容に関する資料は主にインターネットと文献から集めました。インターネットでは地方自治体による条例や近年の観光についての資料を、文献からは美観地区の歴史に関する資料を主に探しました。個人的には、文献を探す際には岡山県立図書館、倉敷市中央図書館をよく利用しました。

これらの研究を通して、美観地区の景観の変化は長期にわたって計画的に進められており、一軒一軒の古民家再生には多くの人が携わっているということを学びました。一方で、他地域と比較することで地区の今後や課題についても学ぶことができました。

 卒業研究を終えて倉敷市美観地区の魅力を再発見でき、改めて倉敷市に住んでいることを誇りに思いました。住民としてますますの発展を願いながら、これからも楽しみに足を運びたいです。

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園村 理緒(中塚ゼミ)

 

 私の卒業論文のテーマは、「だてマスクと社会―コロナ禍における当事者の語りを通して―」です。新型コロナウイルス感染拡大により、2020年頃から人びとは常時マスクを着用しなくてはならなくなりましたが、それ以前からマスクを常時着用していた人びとが存在していました。そのような、風邪でも花粉症でもないのに常時マスクを着用している人びとのマスクを「だてマスク」といいます。私の卒業論文では、そのようなだてマスク経験者へインタビューを行い、だてマスクをする理由やその経験、新型コロナウイルス感染症による影響について、どのように考えを語るのかについて明らかにし、社会学的に考察しました。

 卒業論文の執筆を通して、計画性と文章力を学びました。計画性については、中塚先生が指導してくださるので、早くから先行研究の整理などを計画的に行えます。しかし、自分でも多くの先行研究を収集し、その活用法を考えておく必要がありました。また、本文を執筆するペースなどは、自分で日数を計算しながら進めていく必要があり、1つの章をどのくらいの日数で書くことができるか計算することで、余裕をもって提出することができました。文章力については、中塚先生にしていただいた添削のおかげで、正しい文章を身につけることができました。自分では大丈夫だと思っている文でも、日本語として正しくないことや、読み手に伝わりにくくなっていることがありました。ですが、中塚先生に指導していただき、自分でも推敲を重ねることで、卒業論文を形にすることができました。

 だてマスクの研究をしたことで、だてマスクをする理由が人によって様々であるように、自分が体験したことや、表面に見えていることだけで他人を推し量ることはできないと考えるようになりました。これらの学んだことを忘れることなく、今後に生かしていきたいと思います。

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【シリーズ〜卒業研究を振り返って〜vol.1】はこちら

【シリーズ〜卒業研究を振り返って〜vol.2】はこのページ

【シリーズ〜卒業研究を振り返って〜vol.3】はこちら

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