就実大学 人文科学部 総合歴史学科

2014.01.31 

2013年度 優秀卒業論文発表会

授業・課外研修など

2014年1月25日(土)13時より、本学E402教室において、総合歴史学科の優秀卒業論文発表会が行なわれました。教員から推薦された4年生が、卒業論文の内容を、制限時間20分で発表するものです。発表者と論文題目は、以下の通りです(括弧内は所属ゼミナール)。

 

 

 

 

岡本郁美さん (曾根ゼミ) 「石山寺について ―本尊を中心に」
河野加奈さん (曾根ゼミ) 「広島県山間部の神楽について」
野田和心さん (苅米ゼミ) 「紡績業における女子従業員の生活実態―深夜業禁止後の福利厚生を中心に」
二嶋美帆さん (櫻田ゼミ) 「岡倉天心著『茶の本』が欧米に与えた影響について」

 

 

 

 

 

岡本論文は、石山寺の本尊について、造立から現在に至る変遷を扱った内容です。本尊の観音像が、火災などに遭いながら何度も修復され、宝物が胎内に繰り返し奉納されたことを指摘しています。

 

河野論文は、広島県山間部の神楽が、どこからどのように伝播したのかを検討したものです。多くの資料を扱い、従来の研究による伝播経路に対して訂正を行なっています。

 

野田論文は、工場法改正後に紡績業各社がいかに従業員の福利厚生に取り組んだかを扱ったものです。紡績女工は決して悲惨な存在ではなく、彼女ら自身によって、女工生活はむしろ幸福であったと意識されたことが指摘されました。

 

 

二嶋論文は、岡倉天心『茶の本』が日本文化にこだわり続けた天心の苦心の作であり、同書が欧米からする日本文化の見方に大きな影響を与えたことを指摘しています。

いずれも優れた内容をもつ論文ですが、はっきりとして落ち着いた語り口という点では、二嶋さんの発表がぬきんでており、こちらが最優秀となりました。以下、二位が岡本さん、三位が野田さん、四位が河野さんとなっています。総合歴史学科では、今後も1~3年次生への刺激の場として、この発表会を続けていく所存です。

 

 

(文責:苅米)

戻る