就実大学 人文科学部 総合歴史学科

2019.06.07 

2019年度 学外研修(赤穂・室津方面)の記事を掲載しました。

授業・課外研修など

 201961日(土),総合歴史学科の学外研修を実施しました。

 午前815分に大学正門前に集合,1年生から4年生までの15名と教員4名は,吉本先生のご用意くださった資料を手にして真備観光のバスに乗り込み,赤穂へ向かいました。

 930分,赤穂城址公園西駐車場へ到着。まず赤穂大石神社に参拝しました。赤穂義士の石像が両脇に配置された参道を進み,境内にある義士宝物殿,義士木像奉安殿,大石邸長屋門,庭園を見学しました。宝物殿には,大石内蔵助が討入り日を決定する根拠となった羽倉斎(後の荷田春満)の書状や,討入りの際,内蔵助が所持していた采配,呼子鳥笛,堀部安兵衛着用の鎖頭巾,鎖帷子などが展示されていました。

 1040分,赤穂市立歴史博物館へ徒歩で移動し,見学しました。赤穂の塩,赤穂の城と城下町,赤穂義士,旧赤穂上水道という4つのテーマで構成された展示のなかで,とくに,吹き抜けを利用して展示された入浜塩田の製塩用具(国指定重要有形民俗文化財),入浜塩田模型,塩廻船模型は壮観でした。また,赤穂義士関連では,人形浄瑠璃(文楽),浮世絵,写本から玩具(双六)までマルチメディアを鮮やかに提示し,忠臣蔵の人気の高さを表現していたのが印象に残りました。なお,展示はされていませんでしたが,赤穂義士が討入りに持参した「浅野内匠家来口上」は同館に収蔵されています。

 博物館見学後,国史跡赤穂城跡を散策しました。赤穂城は昭和57年より復元整備計画が進められ,現在はほぼ完了しています。長方形の内枡形を備えた本丸門(高麗門と櫓門)を潜り抜けると,目の前に広がるのは御殿(表御殿・奥御殿)の間取り平面表示です。平面表示の上を歩いて天守台へ登り,本丸,二之丸,三之丸を一望しました。復元された石垣,狭間(丸,三角,長方形)の開いた土塀も見られました。

 1300分に赤穂ロイヤルホテルへ到着,レストラン「寿らく亭」の一室で和定食をいただきました。和牛ちりめん山椒煮,お造り,あなざく(穴子と胡瓜の酢の物),鯛荒炊きなどのお料理に舌鼓を打ちました。

 1345分にホテルを出発,国道250号を走りながら水面がきらきらとかがやく瀬戸内海を眺めて室津へ向かいました。

 1445分に室津漁港へ到着,室津の町並みを見て歩きました。まず,廻船問屋として活躍した富商で脇本陣も務めた「嶋屋」の遺構,たつの市立室津海駅館を見学しました。廻船,参勤交代,江戸参府,朝鮮通信使という4つのテーマに大別された展示のなかで,とくに,ニシン漁関連の展示,長崎出島オランダ商館の医師ケンペルの『日本誌』に掲載された図版「室(MURU)」,朝鮮通信使一行の船が室津の港を埋め尽くす様子を描いた屏風「朝鮮通信使室津湊御船備図屏風」(複製)が印象に残りました。二階では,部屋ごとに異なる意匠を凝らした欄間,釘隠しを見ました。曲線を描く天井,贅を尽くした設え,実に瀟洒な佇まいでした。

 続いて,たつの市立室津民俗館を見学しました。こちらは江戸時代には苗字帯刀を許され,姫路藩の御用達をつとめた「魚屋」の遺構です。一階奥座敷,二階上段の間,箱階段,隠し階段,貴人専用「御成門」,玄関吊り上げ式二重戸や,登城かご,八朔ひなかざり,その他長年大切に使用されたと窺い知れる什物を鑑賞しました。海駅館,民俗館ともに職員の方から専門的な解説を伺うことができ幸いでした。さいごに改修工事中の賀茂神社(重要文化財)へ参拝し,漁港へ戻りました。賀茂神社へは行かずに室山城跡へ向かった学科生もいました。

 1630分に室津漁港を出発,帰路に着きました。途中,福石パーキングエリアに立ち寄って30分間の休憩を取り,1830分に大学正門へ到着,解散しました。赤穂,室津の歴史に触れ,文化を満喫し,充実した研修旅行となりました。

 今回に引き続き,今秋にも朝鮮通信使関連の学外研修(牛窓方面)を開催する予定です。総合歴史学科の皆さん,奮ってご参加ください。

(文責:松崎)

戻る