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お知らせ就実公開講座

前期第3回 平成29年6月17日(土)

2017-06-17

「話を『理解する』」

堤 幸一(教育学部 教育心理学科 教授)

 

 

「私はうなぎです。」と言われたとしたら、何のことがわかるでしょうか。しかし、文脈を推理して「今日のお昼に何を食べたい?」となると話がわかります。この時の脳内では、まず『○○の話かな?・・・』と文脈を推理し、意味を解析して表面上の理解をする仕組みが働き、『○○って言うけど、(推論したら)たぶん◎◎の話だな』と文脈生成の枠組み(=状況モデル)を作り、初めて「わかった」状態になるそうです。ひとつめに、話を理解するうえで、状況モデルは、重要な意味をもっていることを解説されました。

次に、状況モデルの有無による理解のしやすさについて、「なにこれ?」体験をしました。お話しを聞いて内容を記録するのですが、音声だけ聞いた時と、状況を示す絵を見て状況をイメージしてお話しを聞くのでは雲泥の差でした。つまり、経験を増やして状況推理を洗練・抱負化することが重要なのです。わかることで、記憶もしっかり保持・再現できることが示されました。

話を理解することは日常的な行動ですが、その仕組みを興味深く学んだ時間でした。