心理学科その他
2026-07-17
荊木まき子准教授が、「総合的な探求の時間」で、西大寺高校2年生の生徒たちのフィールドワークの一環として心理学的な見方からの質問に答えました。
高校の探求活動では、生徒たちの興味関心にしたがって、自分たちで調べてまとめることを中心に行っています。今回は、3つのグループそれぞれの身近な興味関心から問いを立て、それらを追求し、まとめる作業を行っていました。
初めのグループは、「楽しかった記憶よりもいやな出来事の方を強く憶えているのか」、「マイナスな記憶が残りやすいのは脳の仕組みと関係しているのか」、2番目のグループは「幸福について」や「人と関わることで幸せになれるのか」、3番目のグループは「勉強の意欲を高める心理学的な方法」や「スマートフォンの誘惑をコントロールする方法」、「気持ちのメリハリの付け方」について強い関心を持っており、心理学的な見方からの考えをお伝えするために今回のフィールドワークとなりました。

当日は、最初のグループには、オンラインで、日常会話でも使っている短期記憶や、昔の思い出にあたるエピソード記憶など長期記憶の記憶の基本的な仕組み、トラウマティックな記憶(命の危険に関わるような記憶)について説明しました。さらに生徒たちからは、「人によって同じような出来事を体験しても、立ち直りに違いがあるのはなぜ?」と追加の質問をいただき、同じようなストレスに感じる出来事についても人によって評価の方法が違うことについても説明しました。

2グループ目は、マズローの欲求階層説やポジティブ感情の点から、人はお腹が満たされ、睡眠を充分にとること、安心できること、人や社会に必要とされてはじめて、自分自身の能力を発揮しようすること。ポジティブ感情の中に愛着(相互依存や親密さなど)なども含まれており、これらの愛されていると感じる感覚は、子ども時代だけでなく、一生涯人を守る役割を果たすこと等の説明をしました。そこから生徒たちは、人との関わりと幸福について、何らかのヒントをえたようです。

3グループ目は、自ら学ぼうとする内発的動機付けや他者等のプレッシャーから学ぼうとする外発的動機付け、自分自身で決定するとやる気がでる自己決定感、期待した効果を得ることができる自己効力感の説明をしました。そこから「できる目標を立てて頑張る」や、「テストの点を比較する」など学習意欲を上げるための方法、「勉強を頑張ったらご褒美にスマートフォンを見る」等、新しく知った知識を基に自分たちでできる方法を考えました。最後に、「気持ちのメリハリをつける方法」は、同じようなストレスに感じる出来事についても人によって評価の方法が違うために気持ちの持ちようが変わってくることを説明し、それぞれの出来事をどう評価するのかについて考える機会となりました。
今回、それぞれのグループの生徒たちの身近な興味関心から、心理学の知識を熱心に聞く姿は、こちらの胸にも響くものがありました。探求の中でえた知識をさらに自分たちで考えを深めて、実りある発表やまとめができればと願っております。また、これをきっかけに、心理学に興味を持ってもらえると、嬉しく思います。