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総合歴史学科オープンキャンパス

8月のオープンキャンパスの記事を掲載しました。

2024-09-03

■2024年8月オープンキャンパス(8月24・25日)

 

 2024年8月24日(土)と25日(日)、10時よりオープンキャンパスをおこないました。学科ガイダンス、ミニ講義、学科イベント(D館301大講義室)に続き、「学科別相談コーナー」を設けました。また、両日とも総合型選抜(自己アピール型)の説明会・登録面談とゼミ体験を実施しました。

 

【学科ガイダンス】

 

 学科ガイダンスでは、24日は若見理江准教授、25日は小林亜沙美准教授が総合歴史学科における教育の特色の説明や学科教員の紹介をおこないました。その後、在学生(24日は2年生:松浦碧空さん・八代彩花さん、3年生:吉井健太さん、4年生:山形悠真さん。25日は2年生:板野有倭さん・松浦碧空さん・八代彩花さん)が様々な学外研修を紹介し、学科生の日常として、それぞれのサークル活動、アルバイト、将来の夢に向けた勉強・就職活動の様子などを話してくれました。在学生が学科ガイダンスの一部を担当し、学生目線のリアルな日常を具体的にお伝えすることができ、参加してくださった皆さんにも好評でした。

【ミニ講義】

 

 24日は日本史コースの鈴木琢郎准教授が「人魂が出た!平安期の貴族の日記を読む」という題でミニ講義をおこないました。まず、大学の歴史学では年号と事件と人名を記憶するのではなく、根拠となる史料の分析が大事であるという前提が説明されました。その後、平安貴族の日記にある、一条天皇の葬儀後に「人魂」が出現したという記事について、他の日記史料を比較しながらその背景を解き明かされていきました。複数の史料を用いて歴史上の事件の背景や経緯を紐解く、という歴史学の基礎的な方法と魅力が説明されました。

 25日はアジア史コースの渡邉将智准教授が「災害と中国王朝」という題でミニ講義をおこないました。中国では古代の時代から、災害は天が下す警告とみなされていたという思想的背景が説明された上で、歴代の皇帝たちがとった災害の予防策や災害が起きた後に講じた対策などが紹介されました。具体例として、黄河の決壊に焦点が当てられ、前漢の皇帝がとった対策が、後漢の皇帝に継承されたこと、その背景には王朝を正統化したいという目的があったことも説明されました。

 ミニ講義では、過去の出来事・人物・文化・習慣・価値観を明らかにするための様々な方法や観点が紹介され、大学での歴史の学びの一端を示すことができました。参加してくださった皆さんにも大きな刺激となったことと思います。

 

【学科イベント】

 24日はヨーロッパ・アメリカ史コースの小林亜沙美准教授が「フィールドワークで学ぼう!―ドイツ研修旅行編―」という題で、2024年2月のドイツ研修旅行の概要を、旅行参加者の学生スタッフ(吉井健太さん)と一緒に紹介しました。旅行先での訪問箇所の説明や、文書館やナチス時代の強制収容所跡の見学などを通して現地で学んだことを発表しました。

 

 25日は日本史コースの苅米一志教授が「実に就くプロジェクト―岡山市中区の魅力発見」という題で、2023年11月と2024年1月の中区めぐりの概要を、参加者の学生スタッフ(3年:上野穂香さん・竹本裕香さん)とともに紹介しました。岡山市中区と共同プロジェクトを組み、地元中区の歴史的魅力を発見し、その成果として史跡マップを作成したことが説明されました。 

【学科別相談コーナー】

 

 両日とも「学科別相談コーナー」が設けられました。ここでは、教員や在学生が、来場した高校生からの質問に応じ、歓談しました。会場内にヨーロッパ史・アジア史・日本史に関する歴史資料や、学科生の卒業研究、新入生研修旅行で教員が撮影した写真を展示しました。高校生の皆さんは展示物を興味深く見学し、質問をしてくれました。他にも、普段の大学生活や授業の様子、ゼミの選び方、授業の課題やテスト・レポートの内容、新入生研修旅行の様子などについて質問が飛び交い、在学生たちは自分の体験に基づき熱心に答えていました。教員と高校生たちとの間でも話が弾んでいました。

【ゼミ体験】

 

 24日はヨーロッパ・アメリカ史コースの山本航平講師がゼミ体験「「自由」で「平等」?—史料で読むアメリカ合衆国の理念と現実」をおこないました。参加者たちはアメリカ合衆国の独立宣言や合衆国憲法などを用い、史料を実際に読み解く経験をしながら、自由や平等を再考しました。

 

 25日は日本史コースの苅米一志教授がゼミ体験「戦国大名の古文書を読んでみよう!」をおこないました。参加者たちは、織田信長の文書をくずし字の状態で見て、現代語訳を読み、中身をきちんと理解するために地名・人名・専門用語などを調べ、文書発布の背景を探るという、文書分析の基礎を経験しました。

 

 ゼミ体験にはそれぞれ山本ゼミ・苅米ゼミの学生も参加しており、高校生の皆さんはゼミの雰囲気を少しばかり味わえたようでした。

【次回のオープンキャンパス】

 

 2025年3月9日(土)に開催予定です。ミニ講義やゼミ体験の内容も変わりますので、ぜひご参加下さい。

 

(文責:小林)