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教育心理学科研究・出版 など

林秀樹講師の研究が発表されました

2023-05-26

教育心理学科「林秀樹講師」の研究が「心理臨床学研究」(論文タイトル「小学校スクールカウンセリングでの精神分析的実践を踏まえた教師との協働 」)に掲載されました。「心理臨床学研究」は,臨床心理学系の学会の中では最大規模の心理臨床学会が発行している学術誌です。

 

どのような研究かを林先生に紹介していただきました。

 

「スクールカウンセラー」という言葉を,一度は耳にしたことがあると思います。学校現場で子どもたちの心のケアを行ったり,その子どもに関わる大人(ご家族や教職員の先生方)を支援したりする仕事です。スクールカウンセラーを常勤化する動きは進んではいるものの,いまだ多くの学校では非常勤で,週1回程度の勤務となるところも少なくありません(詳しくはこちら)。そのため,子どもたちの支援にあたっては,教職員の先生方との協働(連携)が不可欠になります。ただ,スクールカウンセラーの働き方や子どもの心への向き合い方は多様です。この論文では,こうした学校現場での協働において,子どものもつ空想や無意識に目を向ける「精神分析的心理療法」の視点や枠組みを活用・応用することの可能性と意義を示したものです。事例を通して,教職員の先生方の「負の能力」が高まる可能性を示唆しました。

 

負の能力とは…わからないことをわからないままに抱えて,さらには持ち堪えて,探索し続ける心の状態のことです。こうした能力は,こころのケアに欠かせないものと考えられています。