初等教育学科学科行事・授業など
2022-11-22
小学校では様々な植物を栽培します。
生活科では1年生で自分の好きな花を、2年生では実のなる植物を育てます。
理科では3年生でヒマワリ、4年生でヘチマ、5年生でインゲンマメなどを育てます。
それでは生活科の栽培学習と理科の栽培学習では何か違いがあるのでしょうか?
理科では、次のような生物学の基礎を学ぶために栽培学習をします。
植物の体のつくり、成長と気温の関係、子孫の増やし方、発芽の条件、光合成など
従って、学習内容に適した植物を教師が選んで、一斉に育てます。
これに対して生活科では子供の願いをもとに栽培学習を行います。
きれいなお花を育てたい。おいしい〇〇を育てて食べたい。
だから育てる植物はバラバラで、世話の仕方も一人ひとり異なります。
成長過程の異なる植物を同時に栽培することは指導する先生にとっては大変です。
畑に出てきた芽が、児童の植えたものか雑草なのかを見抜く必要があります。
二十日大根とポップコーンでは栽培期間が大きく異なり、世話の仕方が違います。
教師の指導力が試されるのです...と聞くと、
これから先生になろうかと思っている人は怖気づいてしまいますよね。
でも安心して下さい。やり方はあるのです。
園芸が得意な人もそうでない人も、ちゃんと低学年の先生をしていますから。
一斉画一ではなく、個に応じた指導法を学ぶのが「生活科教育法」です。
ところが現3年生はコロナ禍のため、2年生の時に栽培実習ができませんでした。
そこで特別に、3年生の理科Ⅱで植え付けから収穫祭までの実習をしました。
何を植えるかは学生が話し合って決め、苗も自分たちで買いに行きました。
植え方も育て方も自分たちで調べ、収穫まで行いました。
作物で何を作るかを考え、材料を買い集め、調理してパーティをしました。
もうお気づきですか? そうです。全部自分たちで調べ、考え、実行したのです。
指導者は要所要所でアドバイスしたり、水面下で支援をしたりしただけなのです。
子供が主体的に活動できるよう支える、それが生活科における教師の役割なのです。