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就実公開講座前期第5回 令和4年7月2日

2022-08-22

就実公開講座前期第5回 令和472日  

 

「『源氏物語』の本文の動きと表現世界」

瓦井 裕子(人文科学部 表現文化学科 准教授) 

2022年度前期講座第5回(72日)では、平安文学を専門とする瓦井裕子准教授の「『源氏物語』の本文の動きと表現世界」と題した講座が行われました。

まず、現在『源氏物語』ができた当時には本が手書きで写されていたこと、書き写す過程で誤写や改変などが起こって、さまざまな本文をもつ『源氏物語』が生まれたことが説明されました。さまざまな本文をもつ『源氏物語』があるにもかかわらず、現在私たちが手にすることのできる『源氏物語』は大島本と呼ばれる一つの本におおくを拠っており、大島本以外の『源氏物語』本文を読むことが難しいことが示されました。本講座では、大島本以外の『源氏物語』に触れてみるという目的のもと、鎌倉時代中期に書写された陽明文庫本という『源氏物語』の本文を読んでいきました。大島本の表現と陽明文庫本の表現とを比べながら、それぞれの本文で登場人物がどう描かれているのかを中心に講師が丁寧な説明を行いました。受講者30人は熱心に聴講し、講座終了後も講師に質問する姿が見られました。