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薬学科薬学部News

田坂講師の研究グループの論文がYAKUGAKU ZASSHI 7月号におすすめ記事として掲載されました

2021-07-02

 就実大学薬学部臨床薬学研究室の田坂祐一講師と岡山県薬剤師会児島支部の保険薬局11施設との共同研究により、6種類以上の薬剤を服用する患者の半数以上で同じ代謝酵素で代謝される3種類以上の薬剤による潜在的な薬物間相互作用が発生していることが明らかとなりました。本研究成果は日本薬学会の学術誌「YAKUGAKU ZASSHI」に4月12日付けで受理されました。

 これまで同一の代謝酵素で代謝される3種類以上の薬剤による薬物間相互作用がどれくらいの頻度で発生しているのか、そこにどのような薬剤が関与しているのかについては十分に分かっていませんでした。本研究では、924名の外来患者の服用薬剤とその代謝経路を調査し、6種類以上の薬剤を服用する患者の半数以上で同じ代謝酵素で代謝される3種類以上の薬剤による潜在的な薬物間相互作用が発生していること、7種類以上の薬剤を服用する患者ではCYP3A4で代謝される薬剤を平均で3種類以上服用していることが明らかとなりました。また、処方された場合に潜在的な薬物間相互作用に関与する頻度の高い医薬品には抗生物質製剤やアレルギー用薬が含まれていることから、これらの薬剤を一時的に服用する場合にも薬物間相互作用に注意が必要と考えられます。本研究成果が薬物間相互作用に起因する副作用の未然回避や早期発見のため活用されることが期待されます。

 本論文の第一著者は本学の卒業生である岡夏未さんです。在学中には本研究内容を第59回 日本薬学会・日本薬剤師会・日本病院薬剤師会中国四国支部学術大会で発表し、日本薬学会中国四国支部 学生発表奨励賞を受賞しました。

(論文情報)
論文名:3種類以上の薬剤服用時の薬物間相互作用に関する後方視的検討~岡山県児島地区の保険薬局における多施設共同研究~
掲載誌:YAKUGAKU ZASSHI 141(7) 979–984, 2021
著者:岡夏未、近藤真志、松原秀樹、出石啓治、田坂祐一*
*:Corresponding author