ニュース

  • HOME
  • ニュース 一覧
  • 【研究こぼれ話vol.005】特別編 オンライン授業をふりかえって(第2回)

総合歴史学科教員の活動

【研究こぼれ話vol.005】特別編 オンライン授業をふりかえって(第2回)

2021-03-03

オンライン授業を振り返る

総合歴史学科 講師

三田 智子 

 

 2020年度の授業は、結局半分以上がオンラインとなってしまいました。私はPCや新しいツールが不得手な方で、Zoomの存在も20年の3月に存在を知ったほどです。なんとか一年の授業を終えることができたところで、感じたことを記録しておきたいと思います。

 まず何よりも、オンライン授業は時間がかかりました。オンライン授業では、早めにレジメ類をPDFにして配布しておく必要があります。この機会に資料類をすべて原本をスキャナで取り込み、編集しましたが、かなりの時間が必要でした。ですが一番時間がかかったのは週1本のビデオ作成です。撮影・編集にデータ取り出しの時間を加えると、丸二日ほど必要でした。これらに授業時間や、コメントカードのチェックなどもあり、前期はほぼ「休みなし」という状態でした。

 ですが、オンライン授業のを経験して、①講義形式であれば、ある程度内容のあることができる、②これまでの方法も生かせる、③学生の皆さんの「コメントを書く力」がずいぶん上達した、という利点も実感しました。一方で、日本史の専門教育には不適だなと感じることも多く、また一年生や初めて私の授業を履修する学生などを対象とする場合に、難しさを感じました。オンラインは、ある程度の人間関係が構築されていることを前提に、有効性を発揮するように思います。対面授業の利点を痛感する機会ともなりました。21年度の授業も、おそらくオンライン授業と対面授業の併用になると思いますが、それぞれの利点を生かした授業ができれば…と思っています。

 

■ ■ ■  ■

 

オンライン授業の副産物

 ―学生川柳とともに―

 

総合歴史学科 准教授

 中塚 朋子 

 

もう慣れた モニタに映る われの顔

週末は ビデオづくりに 精を出す

歳のせい!? 眼鏡を新調 いざ後期

 

 自嘲気味のこれらの川柳は、後期に一部対面授業が再開され、社会教育主事課程の初回授業で披露した私の作品です。

 新型コロナ感染拡大による影響により、前期は全面オンライン授業となりました。演習形式の授業は、おもにZoomを利用してライブで行いました。自由にからだを動かすことや会話をすることができないもどかしさを、学生たちはきっと感じていると憂慮していました。夏休みが終わる頃、関西のある大学のニューズレターに新型コロナの影響を詠んだ学生川柳が掲載され話題となりました。その試みはとてもユニークだと思い、公民館でおきた九条俳句問題に関する文献を輪読したクラスで、アイスブレイクをかねて川柳を詠むワークを行うことにしました。オンライン授業の様子、就職活動、アルバイト先での客との攻防、趣味やおこづかいの使い方など、憂いを帯びながらもコミカルな句がそろいました。

 喉元過ぎれば熱さを忘れるとはいうものの、オンライン授業の準備は本当に大変でした。週末はオンデマンド授業のビデオを制作するために、何度も徹夜をしました。とはいえ、インターネットや電子機器を活用したオンライン授業の利点も数多くあると実感しました。社会教育主事課程の授業では、ゲスト講師の方々にリモートで数回にわたり参加していただくほか、話し合いや発表を重ねることができました。そのおかげで、御津防災キャンプ、多文化カフェと外国人の若者にインタビュー調査、猟師が作る本気のシシ鍋講座など、感染対策を十分とりつつ、後期は講座やイベントの企画を学外授業として実施することができました。

 年齢のせいにはしたくないのですが、モニターに焦点が合っていないことに気づいたのも、オンライン授業の副産物かもしれません。

 

■学生川柳

起きたあと 十分後には もう講義

オンライン 昼の講義を 夜受講

寝落ちから 起きたら講義 終わってる

飛んでいく 資料のための インク代

部屋掃除 カメラの奥は ゴミだらけ

オンライン 部屋の片付け 一苦労

画面越し あくびもできぬ 緊張感

コロナ禍で 大学行けぬが 遅刻減る

遅刻する 回数減ったが ほぼすっぴん

初対面 まず覚えたのは 目から上

自粛期間 友に会えず 寂しい日々

引きこもり 友達会えず つらい日々

コロナ禍で 上はかっちり 下寝巻き

そこの君 立ち上がってみな 今すぐに

回線の 調子悪いと 命とり

外の音 ミュートの解除で 気がかりだ

売り手かな 売り手じゃないよ 買い手だよ

スーツ着る 上半身だけ 下ジャージ

面接で 死角に埋まる カンペたち

コロナ禍で 外に出るのは バイトだけ

客の声 透明な壁で 聞こえない

品不足 ないものはない しつこいです

三密が 恋しいあの頃 ロックフェス

生きがいの ライブ無くなり 金増える

出不精が コロナを理由に 趣味増やす

自粛中 趣味になったよ BBQ

自粛して ゲームの腕が 上がってく

パソコンで 授業もゲームも 済んでしまう

風邪ひいた よく使う仮病 使えない

コロナ禍で マスク嫌いを 克服なり

外に出て マスク忘れて 引き返す

分からない マスクしている 人の顔

暇すぎて 昼寝でさえも 暇つぶし

一日が 何も起きずに 終わってく

気づいたら 一日終わり 布団行く

寝るときに 疲れがなくて 目ギンギン

寝れなくて 鳥が鳴き出し 絶望だ

語彙力が 日が経つにつれ 消えていく

外出ずに たまの外出 疲労大

給付金 よろしく頼む もう一回

お酒飲む 機会が減って 健康に

自宅内 節制できず またおやつ

ウィズコロナ 収束するのは いつごろか

 

 

教員コラム 特別編「オンライン授業をふりかえって(第1回)」はこちら

→総合歴史学科の情報はこちら

→総合歴史学科特設サイトはこちら