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表現文化学科学科行事

松尾教授の最終講義が行われました

2020-03-02

日程:2020年1月31日

松尾先生最終講義

 令和二年一月三十一日、三十六年間表現文化学科に勤められ、退官を迎えられる松尾直昭先生の最終講義が行われました。講義は「森鴎外と『舞姫』 恋人との別れ」という題で行われ、多くの学生、卒業生、教職員が集まりました。松尾先生は分かりやすく、興味深い講義を展開されながら、時々ユーモアも交え、講義は大変和やかな場となりました。時間ちょうどに終わった授業後には教職員、卒業生、ゼミ生などから花束も贈呈され、松尾先生の笑顔が印象的でした。

 今回の最終講義のテーマである森鴎外の『舞姫』は松尾先生が修士論文で用いた作品で、思い入れがあるが最近は距離ができていた作品だそうです。今回の最終講義という機会でこの作品の講義を受けることができ、大変嬉しく思います。 

 私は講義の最後に松尾先生がおっしゃられていた、今しんどいことにも意味があるというお言葉が心に残っています。出会った言葉を真剣に聞いたり、読んだり、また多くの人や物と出会うことで自分に向き合うことが大切であり、そうして定着した言葉は困難にぶつかったときに不思議と蘇ってくるとおっしゃられる先生の言葉には説得力があり、先生の三十六年間の思いなども伝わってくるようでした。

 三十六年間という長きに渡り、表現文化学科に携わって頂き誠にありがとうございました。感謝の気持ちと共に先生の更なるご活躍をお祈り申し上げます。

              (表現文化学科二年西原まどか)

 

最終講義を受講された方からお話を伺いました。

 今回の最終講義を聴講して『舞姫』そして森鴎外の楽しみ方を増やすことができた。主人公のモデルが鴎外自身である。という話は有名であるので知っていたが、エリスについて深く考察・検証をすることはなかったのでとても面白い話ばかりであった。その中でも最も印象的だったのは、既に解決したことを物語として世間に公表し、隠し事はないとする考え方があったということだ。現代の何かと隠そうとする風潮と対照的で当時らしい価値観なのではないかと思った。このような貴重な講義を聴講することができ深く感謝します。ありがとうございました。

  (表現文化学科二年小□直さん)

 

 一五年ぶりに松尾先生の授業を受けましたが、一五年前と変わらず授業をされるお姿に懐かしさを覚えました。

(二十三期生 岡﨑友愛さん)

 

 実在のエリスという女性の来日に焦点を当て、執筆の意図を探るという内容で、新聞や日記といった資料を元に、確実な問題解決のプロセスを辿っており、参考になりました。エリスの気持ちを考えると、作品で周知の事実とされたことは落胆、絶望せざるを得ませんが、作品の意図が明確にされて初めて理解出来たことでもありました。                            

(表現文化学科四年河野華奈さん)

 

 講義後お忙しい中インタビューにお答えいただき、ありがとうございました。