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表現文化学科在学生・卒業生の活躍

活躍する卒業生紹介 第3回(2013年8月号)

2013-08-14

小郷文子(おごう ふみこ)さん

表現文化学科の前身は日本文学科で平成15年に現在の学科に名称変更しました。でも、それ以前の歴史があります。実は、昭和53年までは就実短期大学に所属していました。国文科という学科名でした。

今回、紹介する小郷文子さんは、本学科の前身である短期大学の国文科を、昭和533月に卒業された方です。卒業後、友人に誘われ、童話講座に参加したきっかけで、童話の創作を20歳前半から始められたそうです。出産を機に一時、休止されましたが、育児が一段落した15年ほど前から創作活動を再開されています。

小郷さんの童話「月夜島のシェル」が、2012年第26回「市民の童話賞」の最優秀賞に選出されました。この作品は、産業廃棄物の国内最大級の不法投棄が行われていた香川県豊島の惨状を題材にしたものです。平成9年に豊島を訪れ、ごみが積み上げられた光景に衝撃を受け、この実情を世間に訴えたいとの思いがつのり、10年以上にわたり構想を練り上げ完成させた作品です。ごみの不法投棄ですみかが危険にさらされた主人公のオカヤドカリが、カラス、オオコウモリなどと共に投棄を阻止しようとする物語です。

「心にひっかかった身のまわりの出来事を題材にして、書いていくうちに、考えが整理され、深化していくのは楽しい」とインタビューに答えていらっしゃいます。

岡山児童文学会の会員としてもご活躍です。この会は県内の童話作家や愛好者で組織されている会で、創立50周年を記念し、作品集『風がはこんできた手紙』を出版しました。小郷さんはここに「草野さんの手」を発表していらっしゃいます。

表現文化学科のOGの方が、長年にわたって、創作活動を継続し、自分の関心を醸成し作品化していることに、心から、ありがたく思います。

 

『第28回市民の童話賞入賞作品集 おかやましみんのどうわ2013』岡山市・岡山市文学賞運営委員会編 ふくろう出版、『風がはこんできた手紙』岡山児童文学会編 吉備人出版、は市内大手書店に置いてあります。価格はいずれも1,000円です。