表現文化学科教員の研究・社会活動
2019-02-23
丸井貴史講師の著書『白話小説の時代―日本近世中期文学の研究―』が、2月15日に汲古書院から刊行されました。「白話小説」とは口語体で書かれた中国小説のことであり、明代以降、広く読まれるようになりました。白話小説は日本にも江戸時代に輸入され、18世紀の中ごろには大流行するに至ります。そこで丸井講師は、18世紀(近世中期)を日本における「白話小説の時代」と位置づけ、白話小説を視座として、当時の文学の諸相を検討しました。
丸井講師は「〈日本文学〉の研究は、決して〈日本〉と〈文学〉のことだけを考えていればよいわけではありません。〈外国〉文学の影響を無視することはできませんし、言うまでもなく、その背景には〈言語〉や〈文化〉の問題が横たわっています。それらを総体的に捉えた上で〈日本文学〉を理解しようとしたとき、近世における白話小説の流行という現象はきわめて興味深いものだと思います。本書を足がかりに、さらにこの分野の研究を進めるつもりです」と述べています。
本書についての詳細は、汲古書院のホームページをご覧ください。