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総合歴史学科授業・課外研修など

2018年度 研修旅行で大塚国際美術館と兵庫県立美術館を訪れました。

2018-09-12

日程:2018年8月8日 ~ 2018年8月9日

総合歴史演習2 研修旅行

 前期試験期間が終了した直後、例年どおり、大塚国際美術館の見学を中心とした研修旅行を実施しました。参加したのは「総合歴史演習2」履修者の約4分の1に当たる26名でした。

 1日目は、膨大な数の実物大複製名画を展示する徳島県鳴門市の大塚国際美術館で、前期授業のおさらいも兼ねて、正午頃から夕方の閉館時刻まで、古今の西洋名画を存分に鑑賞しました。また今回は、世界各地の美術館に収蔵されているゴッホ作《ひまわり》をすべて見比べられる特別企画もあり、複製名画の美術館ならではのユニークな趣向に舌を巻くとともに、大いに楽しませていただきました。

 2日目は、神戸市の兵庫県立美術館でちょうど開催されていた「プラド美術館展 ― ベラスケスと絵画の栄光」を訪れました。前日に大塚国際美術館で複製画で観たベラスケス作の《王太子バルタサール・カルロス騎馬像》や《東方三博士の礼拝》を、今度は本物で観られたことは実に貴重な体験でした。もっとも、1日目は鳴門で複製画を、2日目は関西の美術館の特別展で本物を、というのはこれまでもほぼ毎年あったことです。大塚国際美術館の作品選びがそれだけ的確で網羅的であるということでしょう。

 さて、今年度は大塚国際美術館での鑑賞を始めるに当たり、学生たちに課題を出しました。それは、この膨大な作品群のなかから「家に持ち帰りたい1点を選びなさい」というものでした。その結果は... 

 かろうじて複数の支持を得たのは、ミレイ作《オフィーリア》(3票)、モネ作《日傘の女》(2票)、フェルメール作《真珠の耳飾りの少女》(2票)、そしてダヴィッド作《皇帝ナポレオン1世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠》(2票)ですが、最後の作品のサイズは621×979cmなので、家に飾るスペースがあるのかどうかちょっと聞いてみたいところです。

 そのほか、ブリューゲル、ドラクロワ、ルノワールのような巨匠たちの高名な作品を挙げた人、ダヴィッドの別の作品《ホラティウス兄弟の誓い》が気に入ってその前に1時間もたたずんでいた人、サージェント作《カーネーション、リリー、リリー、ローズ》やブラウン作《メエメエ子羊》のような愛らしい作品を選んだ人もおり、まさに十人十色の答えでした。

 なお、この文章を書いている当人がいちばん持ち帰りたいのは、雨上がりの公園を寄り添って歩く若い男女を描いたリヴィエール作《エデンの園》です。17世紀オランダ絵画を別にすれば、ですが。

(文責:ヨーロッパ・アメリカ史、櫻田美津夫)