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表現文化学科講演会・集中講義等

公開学術講演会報告:「備中神楽」北山社

2014-11-10

11月8日(土)に表現文化学会の総会及び学術講演会が本学R601で開催されました。本年度の学術講演会は、備中神楽の北山社を講師にお招きしました。

 

講演会は、本学の岡部教授の「備中神楽の歴史」解説から始まりました。備中神楽は、出雲流神楽の里神楽に属していて、神能を中心とした、演劇性、娯楽性を含んだ荒神神楽です。文化・文政年間に高梁出身の神官、国学者の西林国橋が作り上げ、備中地方に浸透しました。そして、昭和54年に国の重要無形民俗文化財の指定をうけています。

 

今回、お招きした北山社は、昭和45年大阪万国博覧会公演、昭和53年宮中東宮御所での天皇陛下奉献のほか、海外公演等、内外で活躍されています。

 

今回の講演では、「八俣(やまた)の大蛇(おろち)退治」の部分を中心に、簡略化して演じてもらいました。先ず、「猿田彦命(さるたひこのみこと)の舞」で、命が、東西南北の邪気を祓います。次に、「大蛇退治」で、高天原(たかまがはら)から追いやられた素戔嗚尊(すさのおのみこと)が、大蛇を退治します。その合間に酒造りの神、松尾(まつのお)明神の舞があります。この舞手のおおらかな滑稽さに、観客は大いに笑いました。「大蛇退治」では、主役が大蛇であるため、素戔嗚尊の舞手は素面で舞います。のたうつ二匹の大蛇を、尊が仕留めていくこの緊迫した舞台を観客全員が息をひそめて見いりました。

 

 

11月は神楽の奉納で多忙であるにもかかわらず、本学での公演を承諾してくださった、北山社長、鳥越孝太郎氏をはじめ、社中の皆さんと、会を支えてくれた、教員、学生の皆さんにあらためて感謝します。