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表現文化学科その他

古典芸能鑑賞:桂文之助襲名披露を見に行く

2013-10-30

表現文化学科では、「見る・聞く・触れる」の実感教育の一環として、1年生を対象としてクラスごとに能や古典落語などの古典芸能鑑賞の機会を作っています。

1年次生のうち2クラスでは、10月29日に岡山コンベンションホール(ままかりフォーラム)で行われた、朝日上方落語「桂文之助襲名披露」に出かけました。故・桂枝雀一門の桂雀松さんが江戸時代から続く大名跡である「文之助」を継ぐお披露目の公演です。桂ざこば、月亭八方、桂南光など芸達者なメンバーで、襲名披露の口上のあと、桂紅雀「道具屋」、月亭八方「千両みかん」、桂ざこば「肝つぶし」、桂南光「いたりきたり」、桂文之助「片棒」を楽しみました。

 

以下は学生の感想です。

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最も感動したのは、空気の作り方でした。口上では、笑いを取りつつ、口上の最後には「お静かに」の言葉もなしに会場を静粛な雰囲気にしてしまいました。また、身振り手振り、声音で、場の滑稽感や緊張感を、作っていました。会場の空気を意のままに操っており、仕草、表情、声音で、ここまで空気は作れるものかと非常に感動しました。

会場の笑い自体も、中トリと大トリでピークが来るように作られていて、最後まで観客をつなぎ止めていました。中でも、大トリの前の落語は、笑い疲れはしないけれど、終始くすりと笑いが漏れるような落語で、落語というのは一人一人独立しているものではなく、全体で作るものなのだ、と思いました。

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話のアレンジや演目のためかとも思いますが。ブラックユーモアが含まれ、サゲもえげつない演目もありましたが笑い話となっていて気にならないことが印象的です。死や病を笑いで飛ばすという先生の話に納得しました。

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扇子にせよ座布団の上の演技にせよ、かなり限られた状況から舞台がつくられる様は演技者の力量や技術が伝わります。また、折り重なった歴史のある落語の形式というものもあるのでしょうか。落語が伝統芸能として今日まで続けられてきたのも、こういった形式や技術などが伝えられてきた結果かと感じました。

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話はどれもおもしろく、また同時に引き込まれていきました。(ざこば「肝つぶし」では)兄が妹を殺すのかとハラハラしました。あのシーンは、1番息をのみました。

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若者が私達しかいなくて高齢者ばかりだなぁとも思いました。でも、面白さは若者でも分かります。

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私が一番印象に残ったところは、みかんの話です。食べる動作や音を工夫しているところがすごいと思いました。

落語は特に変わった小道具を使ったりせずに自らの作り出す音や動作で客席のひとたちに、お話を想像させやすくしているのだなと思いました。どんな動作にしても、本当にその動作をしているように見えたりしたので、お話に引き込む力がすごいなあと思いました。

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始めは正直落語は難しいから分からないだろうと思っていましが、いざ聞いてみるととてもおもしろかったです。

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私が昨日の落語会でとにかく思ったのは落語家はすごすぎる、ということです。あんなに大勢の人の前で長時間、一人何役もこなしながら話続けるのはとても難しいことだと思います。こんなにも難しいことなのに落語家のみなさんは、とても楽しそうに喋っておられました。人間として学ぶところがたくさんありました。

 

 

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