2021.03.06 

リレーエッセイ 「心理学とわたし」

その他

 在学生や高校生が心理学により興味をもったり、教育心理学科への関心が深まることを期待して、学科教員がそれぞれの立場で心理学とのかかわりについてリレーエッセイの形で語ります。今回は、2020年度に着任した鈴木 国威 先生のエッセイを紹介します。

心理学とわたし

鈴木国威

 

心理学を学ぶきっかけは人によって様々ですが、多くは個人的な経験や日常で感じるふとした疑問からスタートすることが多いと思います。私の場合は、ものぐさな性分で考えたり整理することが大変苦手なので、その対極にあると思われる伝統工芸の職人やスポーツ選手などのエレガントでしかも早い動きへの憧れから、それを研究テーマにしようと考え始めたのが、卒業研究でした。上記の内容を心理学ぽく言い直せば、潜在学習、運動学習、運動制御、自動性などがキーワードになります。この内容が心理学なのか?と考える人がいるかもしれませんが、人の活動にこころが関与しないものがあるのでしょうか?このエッセイを読んでいる人で、まだ心理学を学んでいない人は、少し考えてみましょう。

 いかがでしょうか?もし、上に挙げた内容には、こころが関わっていないと考える人もいるかもしれませし、関わっていると結論づけた人もいると思います。いずれにせよ、皆さんがこころをどの様に捉えているのかによると思います。では、人によって心の捉え方が異なるならば、心理学は人によって異なるのかと思う人がいるかもしれません…。心理学が幅広いテーマを扱っているのは、もしかしたら、これが原因なのかもしれません。

 少し角度を変えて、心理学を学ぶ利点を考えてみましょう。心理学をこれから学ぼうと考えている人は、様々な目的があると思います。例えば、資格を取得するために学びたいとか、相手の気持ちを知り、日常生活を円満に過ごしたいなどがあると思います。私は、心理学を学ぶことで何がえられるのでしょうか?という質問には、こころというものを捉え直すことができます、と答えます。皆さんは、自分のこころを持っており、自分なりにこころを理解していると思います。心理学は、自分という視点を飛び越えて、こころを見つめ直すきっかけを与えてくれると思っています。それは、自分のこころを自分という檻から解放していることに他ならないと思っています。もし、心理学に興味がもったら、何でも良いので心理学の本を読んでみてください(ただし、ハウツー本以外を読みましょう)。

【過去のリレーエッセイ一覧】※名前をクリックすることで,その教員のエッセイをご覧になれます

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山田 美穂  加納 亜紀  岩佐 和典   堀田 裕司

森村 和浩  井芹 聖文(coming soon)  林 秀樹

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