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2017.06.07 

日本文学コース

その他

古代から近現代まで文化史を見通したうえで作品を読み解きます。書く行為、読む行為、演じる行為、観る行為、その向こう側にある、人の、家族の、社会の営みを探ります。

坂堅太ゼミ

このゼミで対象としているのは、明治時代から現代までの作品です。小説や戯曲、詩といった狭義の文学作品だけではなく、映画やドラマ、アニメなど、受講生が関心を持った表現文化であれば何を取り上げても構いません。

教員が一方的に話す講義形式の授業とは違い、ゼミでは学生が主役です。受講生の皆さんには、自身の考えを正確に伝える努力と、他者の考えを丁寧に受け止める姿勢を求めます。自由闊達な議論を通じて、新たな視点で世界を見つめ直すことが出来たとき、その歓びは何物にも代えがたいものとなるはずです。このゼミがそうした知的興奮を味わえる場となるよう、私も全力でサポートします。

川崎剛志ゼミ

川崎ゼミは、日本文学コースのうち中世文学を中心に学ぶ場です。一語一語、なまのテキストを自力で読み解くこと、またそれぞれのことばの背後にある社会状況や宗教観等に深く分け入ってゆくことを大切にしています。

そのために、とにかく図書館にこもり、他方であちこちに出歩きます。出歩くほうの中心となるのが、世界遺産、熊野へのゼミ旅行です。主に電車、バスを利用しますが、おおよそ平安時代から鎌倉時代にかけて盛んだった熊野御幸の紀伊路にそって進んでゆきます。今年は、発心門王子から本宮大社まで約8キロを3時間かけて歩きました。観光ポスターによく出る、那智大社に向かう苔むした大門坂も歩きました。昨年は世界遺産登録を機に観光客が押し寄せ、苔が危機に瀕しているとも報道されましたが、一年たつと、つるつるとよく滑る石畳に回復していました。

瓦井裕子ゼミ

このゼミでは、9名の学生とともに『源氏物語』葵巻を精読しています。1人ずつ担当範囲を決め、辞書や事典・史料・古注釈書などを用いながら、一語一語をしっかりと理解し、可能なかぎり当時の理解に基づいて古典を読む訓練をします。その作業を通して生じる疑問や掘り下げてみたい問題を、本文や周辺資料を論拠としながら考察し、研究へと発展させていく訓練も同時に行っています。

中古文学は『源氏物語』など馴染みのある作品が多く、現代語訳も豊富なので手に取りやすいのですが、「理解した気になってしまう」危険性もはらんでいます。作品のことばはどのような文化・常識・共有知を背景にしているのか、作品ができた当時の人々はそれをどう読んだのか、そして作品はどのように受け継がれてきたのか。それを丁寧に探りながら、一緒に中古文学を紐解いていきたいと思います。

竹内洪介ゼミ

竹内ゼミでは日本近世文学(江戸時代の文学)を学びます。260年以上続いた江戸時代の作品は多種多様で、散文・韻文・演劇など、さまざまなジャンルに及びます。受講者は自分の好きな作品・題材を卒業論文のテーマにすることができます。各自の興味や好奇心のままに、自分で調査・学習・研究を進める自主性を重んじます。教員はサポート役に過ぎません。

江戸時代というと現代とは全く異なる、理解しがたい時代だと感じるかもしれません。しかし、江戸時代には現代にもなじみのあるさまざまな文化が生まれています。サムライのイメージも、忍者のイメージも、江戸時代から現代に伝えられてきたものです。日本近世文学は、古典文学と近現代文学を架橋する存在なのです。江戸時代を身近に感じ、楽しみながらゼミに参加できる空気を大切にしたいと思います。

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