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2017.06.07 

日本文学コース

その他

古代から近現代まで文化史を見通したうえで作品を読み解きます。書く行為、読む行為、演じる行為、観る行為、その向こう側にある、人の、家族の、社会の営みを探ります。

松尾直昭ゼミ

今年度のゼミは、11名の4年生が明治時代から現代までの作品を研究しています。高校在学時から『夢十夜』が大好きで、大学で勉強したいと思って入学した学生やら、入学後に村上春樹との出会いがあった学生など、文学体験は様々です。 

教員の役目は、学生の皆さんが、作品から受けた衝撃を、自分の感性を反映させた自分のことばで再構成する作業を手助けすることです。しかも、論理的な文章で構成する大切さも理解してもらわねばなりません。わずかな刺激に反応できる柔らかな感性と、自分の感動に冷静な距離を持つ強さと、微妙なニュアンスを伝えられる表現力が必要です。こうしたことばの獲得と論理力の修得が、社会に出たときの一人一人の自信につながるように、毎回の授業に臨んでいます。

今年度の卒業研究題目の例

室生犀星『蜜のあわれ』の作品分析

安部公房『壁』の特質

夏目漱石『夢十夜』の作品研究 

村上春樹『海辺のカフカ』の作品構造 

吉本ばなな『TUGUMI』の世界

江戸川乱歩『陰獣』論

芥川龍之介『アグニの神』の作品論

丸井貴史ゼミ

このゼミでは、精細な注釈をつけながら近世(江戸時代)文学のテキストを読み進めていきます。受講生はそれぞれに割り当てられた担当範囲の語句を調査してまとめ、それを叩き台として全体で議論を行うというのが、授業の大まかな流れです。

 文献を読む際に大切なのは、書かれていることを、書かれているとおりに読むことです。当たり前のようですが、実際にやってみると、意外と難しいことが実感されると思います。自分の先入観や思い込みが読解に反映されてしまうことはしばしばありますし、そもそも語句の意味や文法の理解が誤っていることも少なくありません。それらに起因する「誤読」をできるだけ排するために、徹底的に言葉に向き合う姿勢が必要なのです。 

近世の作品が高校までの古典の授業で取り上げられることはほとんどありません。そのため最初は戸惑いもあるかと思いますが、だからこそ、これまで見たことのない新しい世界を知ることもできます。真摯に言葉と向き合いながら、自分の力で近世文学の世界を踏み分けていってもらいたいと思います。

川崎剛志ゼミ

川崎ゼミは、日本文学コースのうち中世文学を中心に学ぶ場です。一語一語、なまのテキストを自力で読み解くこと、またそれぞれのことばの背後にある社会状況や宗教観等に深く分け入ってゆくことを大切にしています。

そのために、とにかく図書館にこもり、他方であちこちに出歩きます。出歩くほうの中心となるのが、世界遺産、熊野へのゼミ旅行です。主に電車、バスを利用しますが、おおよそ平安時代から鎌倉時代にかけて盛んだった熊野御幸の紀伊路にそって進んでゆきます。今年は、発心門王子から本宮大社まで約8キロを3時間かけて歩きました。観光ポスターによく出る、那智大社に向かう苔むした大門坂も歩きました。昨年は世界遺産登録を機に観光客が押し寄せ、苔が危機に瀕しているとも報道されましたが、一年たつと、つるつるとよく滑る石畳に回復していました。

瓦井裕子ゼミ

このゼミでは、9名の学生とともに『源氏物語』葵巻を精読しています。1人ずつ担当範囲を決め、辞書や事典・史料・古注釈書などを用いながら、一語一語をしっかりと理解し、可能なかぎり当時の理解に基づいて古典を読む訓練をします。その作業を通して生じる疑問や掘り下げてみたい問題を、本文や周辺資料を論拠としながら考察し、研究へと発展させていく訓練も同時に行っています。

中古文学は『源氏物語』など馴染みのある作品が多く、現代語訳も豊富なので手に取りやすいのですが、「理解した気になってしまう」危険性もはらんでいます。作品のことばはどのような文化・常識・共有知を背景にしているのか、作品ができた当時の人々はそれをどう読んだのか、そして作品はどのように受け継がれてきたのか。それを丁寧に探りながら、一緒に中古文学を紐解いていきたいと思います。

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