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経営学科 講義・講座・セミナー

「サービスは人で決まる」―ANAクラウンプラザホテル岡山 林 健一社長をゲストスピーカーに招きました

2026-08-21

日程:2026年7月17日 ~ 2026年7月17日

ANAクラウンプラザホテル岡山を経営する株式会社レイ代表取締役の林 健一さんを就実経営学会定例研究会のゲストに招き「サービスは人で決まる―社員から社長になってわかったホテル経営の本質」をテーマにご講演いただきました。

林さんは1994年にホテルへ入社し、フロント業務からキャリアをスタート。その後、経理、経理支配人、管理部長などを経て、2022年にオーナー会社である株式会社レイの常務取締役に就任し、2024年12月に代表取締役に就任されました。社員として約30年間ホテル経営に携わり、社長となった林さんだからこそ語ることのできる「経営」と「サービス」について、実体験を交えながらお話しいただきました。

講演では、オーナー社長と雇われ社長の違いやホテルの経営方式、経営者の役割など、ホテルビジネスの仕組みについて具体的に説明されました。林さんは、経営者の重要な役割として「さまざまな観点から考え、会社の方向性を決めること」と「最終的な責任を持ち、意思決定を行うこと」を挙げ、企業経営における意思決定と責任の重さを学生に伝えました。

また、ホテルというサービス業における「サービス」と「ホスピタリティ」の違いについても紹介されました。マニュアルなどを通じて均一に提供するサービスに対して、ホスピタリティでは「お客様の立場となり考え、行動する」ことが重要であり、「100名のお客様がいらっしゃれば100通りの接遇が必要」と説明。お客様一人ひとりに向き合い、期待を超える価値を提供することが、感動や再来店につながることを学びました。

なかでも林さんが強調されたのが、「心からの笑顔」の大切さです。「笑顔は最大のおもてなし」であり、経営者として、スタッフが心から笑顔になれる安心・安全な会社をつくることが自らの使命であると語られました。

そのためにANAクラウンプラザホテル岡山が大切にしているのが、従業員の「エンゲージメント(帰属意識)」です。従業員がホテルを大切な職場だと感じ、「もっと良いホテルにしたい」と考えることが、強いチームをつくり、自然な笑顔や自発的な接客につながり、結果としてお客様の満足やホテルのファンを増やしていくことが紹介されました。

さらに、ホテルには宿泊だけでなく、結婚式、同窓会、会食など、お客様の人生のさまざまな場面に関わる機会があります。ホテルスタッフ一人ひとりの「おもてなし」の心によって、お客様の笑顔を生み出し、心に残る時間を提供できることがホテル業界の大きな魅力であると語られました。

学生たちは、ホテル業界について学ぶだけでなく、一人の社員がさまざまな仕事や失敗、周囲の人々との関わりを経験しながら経営者へと成長していった実体験を通して、「人を大切にする経営」とサービス・マネジメントの本質について考える貴重な機会となりました。

林社長、このたびは貴重なお話をありがとうございました。 

執筆 須佐淳司(経営学部教授 、中小企業論、サービスマーケティング論、担当)