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総合歴史学科 授業・課外研修など
岡山市北区御津金川でフィールドワークを行いました。
2024-07-11
「総合歴史演習1」の授業では、江戸時代のある地域の古文書を読み取りながら、史料読解力を身につけ、地域の歴史的な展開を考えることを目的にしています。人文科学部が岡山市立御津公民館と連携協定を結んでいることもあり、2021年度から金川(岡山市北区御津金川)を対象地域に選んでいます。江戸時代の金川は、岡山藩の家老日置家が陣屋をおき、小城下町の様相を見せた場所です。
授業では、中世の備前をとりまく状況や岡山藩成立以後の金川の様子についてごく簡単に学んだ後、元禄10(1697)年に作成された「金川古地図」の読み取りを丁寧に行いました。その上で、6月2日(日)には現地でのフィールドワークを実施しました。参加した学生たちは、古地図の街区が現在まで改変されながらも残っていることを学ぶとともに、史料に登場する「現地」を肌で感じることができたようです。
フィールドワーク後の授業では、古文書を中心に取り上げ、酒造株の売買や日蓮宗不受不施派寺院の廃止などの史料を読み込み、近世前期の金川の様子について理解を深めています。
6月2日のフィールドワークの様子と参加した学生の感想文を掲載します。
(文責:三田)
フィールドワークの感想
佐藤秀磨
今回のフィールドワークは、私にとって初めての経験だった。事前にしっかりと読み込んだ古地図の場所に実際に行ってみて、一番印象に残ったことは私が考えていた以上に古地図と一致する場所があったことだ。メインストリートの名残くらいは残っているのではないかと考えていたが、フィールドワーク前の授業で現代の地図を見た時、思った以上に町の形がそのまま残っていてとても驚いた。実際に行ってみると、古地図のメインストリートは、現代でも店が並ぶ主要道路で、裏町だったところは、普通の住宅街になっているなど、江戸時代と変わっていないことに驚いた。これは何も知らずに行ったら、気にもかからないようなところだと思う。改めて事前に勉強しておくことの大切さを感じた。
実際にフィールドワークをしてみて、実際にその場所に行くことの大切さが分かった。「七曲上道」や「犬走り道筋」などは、古地図で読むだけではどういったものか分からなかったが、「七曲上道」は七曲神社へのぼる道で、「犬走り道筋」は川沿いの狭い道であることが分かった。また、金川の町の中には、町の歴史について書かれたプレートがいくつもあった。その中で、江戸時代後期にはすでに宇甘川に橋が架かっていたことが分かり、古地図が描かれた時代以外の金川についても知ることができた。こういった点からも、実際に行ってみることが大切だと感じた。
フィールドワーク中には、いくつか石碑や常夜灯を見た。私は今までそれらを見かけても何も思わずスルーしていたが、今回のフィールドワークで、石碑や常夜灯には、いつ建てられたかや、何のためのモノなのかが刻まれているということを知り、目から鱗が落ちる思いだった。
私にとって、初めてのフィールドワークは、私にたくさんの学びを与えてくれた。何より、自分の知識と実際の風景がかみ合っていくのは、今までにない体験でとても楽しかった。