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吉備地方文化研究所 イベント

小山聡子氏 講演会「古代・中世の病気治療ー見えないモノとのたたかい」を開催しました!

2023-05-20

 2023年5月20日(土)13:00より、本学S101講義室において、小山聡子氏(二松學舍大学文学部教授)の講演「古代・中世の病気治療ー見えないモノとのたたかい」が開催されました。

 

 苅米一志(吉備地方文化研究所所長)から、開会の挨拶と小山氏の経歴の紹介があったのち、小山氏が登壇し、興味深い図像資料をパワーポイントで提示しながら講演が進められました。

 

 古代・中世においては、病気の原因の多くが神や霊魂など超自然的な存在のしわざと考えられたこと、これを治療するためには、そうした存在を病者の身体から追い出すべく、僧侶や陰陽師が対処したこと、平安末期にはその作法が定式化していき、特に別な人間に超自然的存在を乗り移らせ、対話や呪術的な退治法によって退散させる方法が発達したこと、室町時代以降、中国医学の影響から、超自然的存在そのものが疑問視されていくこと、などが説明されました。

 

 講演後には、質疑応答の時間が設けられ、「邪悪な霊魂を退散させるため、大きな音を出すことが重要とのことだったが、音を出す物そのものに意味はないのか」「一般的な鬼のイメージは逞しい男性を思わせるが、女性や子どもの鬼は図像化されなかったのか」「日本中世に病院のようなものはあったか」「病気を治した僧侶や陰陽師などが崇拝の対象となったことはあるか」など、多くの質問や意見が寄せられました。

 これらの質問や意見に対し、小山氏は1時間近くにわたって丁寧に回答され、近年にない盛り上がりを保ったまま、講演会は終了しました。

 非常に有意義で、楽しいご講演を頂いた小山氏には、衷心より御礼を申し上げます。

 

 吉備地方文化研究所では随時、第一線で活躍する研究者をお招きし、年に何度か講演会を開催しています。次回は、6月17日(土)13:00~ S101講義室において、山田雄司氏(三重大学)「服部半蔵の虚像と実像」を開催いたします。こちらもオンラインとのハイブリッド形式で行います。お時間、ご興味ありましたら、よろしくご参加・ご視聴ください。

 → 次回の講演会の情報