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人文科学専攻 発表会

人文科学研究科 修士論文中間報告会を開催しました!

2021-07-16

2021年7月15日(木)17:00より、D101教室にて修士論文の中間報告会が開催されました。いずれも2年次生による報告で、多数の教員の他、学部生の参加も見られるなど、盛況な報告会となりました。

報告(1)坂本 翔「初期室町幕府の政治体制について」

佐藤進一により提唱された「足利尊氏・直義による二頭体制論」について再検討を行なうべく、先行研究を洗い直し、また史料収集を進めた経過が報告されました。特に足利尊氏の行動に注目し、新たな政治的位置づけを試みようとしています。

質疑応答の時間では、「収集した史料に対する今後の作業量はどれほどか」、「直義が実権を把握していたと言われるものの、なぜ尊氏から将軍職の譲渡がなされなかったのか」など活発な意見交換がなされました。

報告(2)松原一博「『ハル・ノート』の解釈」

対米開戦の布石となった「ハル・ノート(アメリカ国務長官コーデル・ハルによって日本側に示された交渉提案)」について、その内容の詳細な読解から、「ハル・ノートは日本への最後通牒であったのか」、「文書中における『China』に満州国は含まれるのか」などの疑問が提示されました。

質疑応答では、「リアルタイムでハル・ノートの位置づけを行なう『実態論』をめざすのか」、「極東軍事裁判に至る過程で再構築された『認識』の形成を扱うのか」、「最後通牒という表現は、より厳密に詰めていく必要があるのではないか」など核心的な質問が出され、ここでも活発な議論を行なうことができました。

上記の議論を受けて、報告者にはより深く考察を進め、すぐれた修士論文を作成していってほしいと思います。次回は、12月上旬の開催を予定しています(1年次生による報告)。よろしく、ご参加をお願い致します。