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就実公開講座後期第3回 令和元年10月5日

2019-12-24

「会計学のいま」

 

 鈴木 新(経営学部 経営学科 准教授)

 

後期第3回は経営学部の鈴木新准教授が「会計学のいま」と題して、RIZAPグループ株式会社の20193月期決算を事例に取り上げて、M&Aの会計の仕組みと考え方について講演された。

 

M&AとはMergers and Acquisitionsの略で企業の合併(2つ以上の企業がつになること)や買収(ある会社が別会社を買い取ること)のこと。同社はCMで話題となった個人向けジムが好調なだけではなく,多角化戦略をとり多業種への買収を繰り返すことによって増収増益を続けてきた。

 

その好業績は同社の採用する国際財務報告基準(IFRS, International Financial Reporting Standards)に準拠したM&Aの会計処理に支えられていた。すなわち相手先企業を安く買収すればするほど,その年の収益が増える仕組みである。日本の会計基準ではこれを本業の収益とは認めないが, IFRSではこれを本業の営業収益に含めている。 

 

こうした好業績は企業の実力を表していたと言えるのだろうか。同社は20193月に大幅な赤字を出すことになった。買収した企業の経営が思うように改善せず,それにより新たな買収もとりやめたためだ。同社はいま多角化を改め,本業回帰を掲げてジムに経営資源を集中することで再起を図っている。  

 

国内外の企業買収・合併が話題となる中、鈴木准教授の例題も含めたわかりやすい説明に約30名の受講者は熱心に受講され、講演後、活発な質疑応答が行われた。