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表現文化学科 その他

新入生学外指導で古典落語を鑑賞

2015-10-15

表現文化学科では、「見る・聞く・触れる」の実感教育プログラムの一環として、1年生次に担任の引率で学外指導を行います。1年eクラスでは10月14日「桂米朝一門会」に出かけました。上方落語会唯一の人間国宝 桂米朝師の弟子筋にあたる落語家さんたちによる落語会です。出演は桂ざこば、桂南光、桂米團治、桂吉弥などテレビでもおなじみの顔ぶれです。

ひごろなじみのない古典落語の世界に触れて、1年生はどんな発見をしたのでしょうか。以下は、本学科1年中内利海さんの感想です。

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落語会へ行き実際に落語を見るまでは、自分でもちゃんと楽しめるのだろうかという疑問があったのですが、そんなものは全くの無用の心配でした。

話には物語性があるので語られればお話の情景が次々と頭の中へと浮かんでいくのですが、それがなんとも不思議な感覚でした。 本を読んでいるときにも文字を追い話を理解すればその情景が頭へ浮かびますが、当然ながらそれともまるで違い、あれは初めての感覚でした。

というのも、ただ淡々とお話をされているだけではなく小道具を使ってその様子を現していたり、話の動作を出演者の方がされたりしているからなのでしょうがそれでも混乱してしまわないのが不思議です。一人二役どころか一人数役を行っており、しかも話の前に登場人物の紹介がされているわけでもなくどんどん次から次へと色々な人が出てくるのに、まるで話に置いていかれることはありませんでした。場面場面で誰が登場し誰が消え、誰がまた出てきたのか、それを戸惑うことなく受け入れることができ次へ次へと進む話を追いかけることができたというのが、後になって振り返ってみるといくらか妙にも感じます。

そしてお話に入る前の、枕と呼ばれる部分が最近世間で起こっていることや出演者の方の身の回りで起こった出来事などを取り入れた世間話のようなものなのに、これがしっかり落語の内容と絡んでいるというのが純粋にすごい!と思いました。 そういうところが、知らず知らずに聞いている側が自分から準備させられているようで奇妙で面白かったです。

落語を始めるときに扇子で音をたてたり「ここから落語」と宣言する人など出演者の方によって違ったのですが、枕から落語へ入っていく瞬間というのがとても好きになりました。 話の区切りに扇子で高い音を出すのも、何度聞いても「ハッ」とさせられ、ここが話の転換部分なのだ!と毎度力が入りました。じっと見て聞いているはずなのに、そこでまた集中する自分が不思議です。 全ての動作が、聞いている側がしっかり着いていくことができるよう導いているようだと感じました。

うどんがとても美味しそうで、あの時見ていて正直お腹がすきました。 今思い出してもうどんを食べに行きたくなります。温かくて美味しいんだろうなあと思います。 何もかも全ての表現の前提に「滑稽で面白おかしく」というのがあるように感じられ、落語というのは人を愉快にするためのものなのだなあと漠然とそう思いました。 何とも不思議な時間と空間で、時が経つのが早く、純粋に楽しい時間だったなあと思うことができました。

 

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