子供の頃から憧れていた薬剤師まで
あと一歩
内定先を選んだ理由について教えてください。
数ある病院の中で岡山済生会総合病院に決めたのは、病院見学の際に職場の雰囲気の良さを感じたからです。また、何か一つの疾患に特化した病院よりも、さまざまな診療科がある病院で多くの薬の知識を身に付けたいとも思っていました。岡山済生会総合病院には多数の診療科があり、救急制度や当直もあるので、自分が薬剤師としてスキルアップするための経験をしっかり積める病院であると確信しました。将来的に認定薬剤師の資格を取りたいという思いもあり、総合病院で勤務する経験は確実に活きてくると思っています。
薬剤師になろうと思ったのはいつからですか?
薬剤師になるのは小さい頃からの夢でした。きっかけとなったのは私が小学生の頃に耳鼻科を受診した時のことです。診察してもらった後に病院に併設されている薬局で薬をもらうのですが、そこで白衣を着た方が対応してくれて。連れてきてもらっていた親に「あの人ってどういう職業の人?」と聞いたら、「薬剤師さんだよ」と教えてくれました。その時から「薬剤師ってかっこいいな」と憧れの思いがあったんです。医師になりたいと思っていた時期もあったのですが、家族からの話や、自分で情報収集していく中で「やっぱり薬剤師になりたい」という気持ちが強くなりました。この大学、学部を選んだのも薬剤師になる夢を叶えるためです。
採用試験の流れについて教えてください。
履歴書を提出したのが7月の終わりから8月の上旬だったと思います。それから2、3週間後に一度だけ面接を受けました。面接の日には学科試験や小論文のテストもありましたね。面接を受けてから3週間経った頃に内定通知を頂きました。
さらに採用試験とは別に、薬剤師の国家試験が来年の2月にあります。これからが本当の頑張りどころなので今は合格を目指して勉強中です。
就職活動を振り返ってみてどうでしたか?
就職活動を意識し始めたのは6年次の4月頃でした。特に焦りなどはなかったですが、周りの学生の中には2月や3月に決まっていた人もいたのでそろそろ動かないとなと。不安があったとすれば、新型コロナウイルスの影響で病院の見学が制限されていたことですね。見学に行かないと履歴書を出せないという決まりがあったので。新型コロナウイルスの感染拡大は心配をしました。
就職活動を始めた当初は病院だけでなく薬局も見ておきたくて、たくさんの薬局が参加する大阪の説明会に参加しました。それでもやはりずっと育ってきた岡山で、さまざまな経験が積める病院薬剤師になりたいという思いは変わりませんでした。
志望していた病院からの内定を頂くことができましたが、最終的には国家試験に合格しないと働けないので、今は少しでも空いた時間があれば勉強するようにしています。高校生の時と比較にならないくらい勉強していますね。大学でも卒業特別講義や国家試験対策講座などさまざまなサポートがあるので受験勉強が捗ります。よく研究室で勉強しているので、研究室の先生に困ったことがあれば何でも教えてもらえ安心しています。試験に無事合格したら、病院薬剤師として幅広い専門性と知識を身に付けて、患者さんを精神的な面でも支えられる人間になりたいと思っています。
キャリアセンターを利用することはありましたか?
キャリアセンターでは面接の練習をしてもらいました。入室の際に自分の荷物をどこに置くべきかなどの基本的なマナーから教わりましたね。その他にも小論文の添削や履歴書のチェックをお願いして。最初に自分で書いてみた履歴書は長文だったので、もっとコンパクトにまとめるようにした方がいいとアドバイスしてもらいました。利用できてとても助かったと思っています。
キャリアセンター以外では、大学の先生に就職先選びの相談に乗ってもらったこともありましたね。「こうした方がいいんじゃない?」とか、「焦らなくてもいいよ」と声をかけてもらって。私の相談事を親身になって聞いてくれたので本当に感謝しています。
就職活動で役に立った学生時代の経験は何ですか?
高校生までの私は何かにつけても、こうなったらどうしようとネガティブに考える心配性な性格でした。しかし大学生活、特に飲食店のアルバイトの経験を通じて考え方が変わっていったように思います。アルバイト先で時間帯責任者を任されてからは、お店の忙しさにあわせて人の配置を替えたりしないといけなくて。また自分の行動が直接売上に関わってくることもあり、一つのことにくよくよ悩んでいてもいけないし、「今できることをすぐにやらないと」と考えるようになりました。そういう状況を経験したことで、そんなに心配しなくてもなるようになるから、とりあえず目の前のことを必死に頑張ろうと。
これから大学に入学する高校生に伝えたいことはありますか?
個人的には大学に入学してからアルバイトはやっておいた方がいいと思いますね。人前に出て話すことが苦手で緊張して手が震えるほどだった私が、アルバイトをしたおかげで知らない人とも喋ることができるようになったんです。コミュニケーション能力も養われました。そういう意味では自分が苦手だと思っていることでも、あえて挑戦してみることが大事なのかもしれません。いずれにしても自分が実際に働いて得られる経験は何ものにも代えがたいものだと思います。
最後に、就職活動を控える在学生に向けてメッセージをお願いします。
薬学部に関して言えば就職先が決まらなくて焦っている人はそんなに多くありませんでした。第一志望の病院や薬局から内定をもらっている人も多いみたいです。就職先はいろいろあると思うので焦らず、ゆっくり自分のペースで就職活動を進めて欲しいと思います。