就実大学・就実短期大学

表現文化学科

公開講座実施報告

 

 

 

前期第3回 平成29年6月17日(土)

「話を『理解する』」

堤 幸一(教育学部 教育心理学科 教授)

「私はうなぎです。」と言われたとしたら、何のことがわかるでしょうか。しかし、文脈を推理して「今日のお昼に何を食べたい?」となると話がわかります。この時の脳内では、まず『○○の話かな?・・・』と文脈を推理し、意味を解析して表面上の理解をする仕組みが働き、『○○って言うけど、(推論したら)たぶん◎◎の話だな』と文脈生成の枠組み(=状況モデル)を作り、初めて「わかった」状態になるそうです。ひとつめに、話を理解するうえで、状況モデルは、重要な意味をもっていることを解説されました。

次に、状況モデルの有無による理解のしやすさについて、「なにこれ?」体験をしました。お話しを聞いて内容を記録するのですが、音声だけ聞いた時と、状況を示す絵を見て状況をイメージしてお話しを聞くのでは雲泥の差でした。つまり、経験を増やして状況推理を洗練・抱負化することが重要なのです。わかることで、記憶もしっかり保持・再現できることが示されました。

話を理解することは日常的な行動ですが、その仕組みを興味深く学んだ時間でした。



 

前期第2回 平成29年6月10日(土)

「実践で学ぶちょっと先の認知症予防」

桑原 和美(教育学部 教育心理学科 教授)

6月10日の講座「実践で学ぶ ちょっと先の認知症予防」を、22名の皆さんと体育館多目的ホールで行いました。30分の講義の後は、ジャンケン遊び(両手ジャンケン)とストレッチを個人で行い、リズム足踏みをグループで楽しみました。1人でも行うことができる内容でしたが、グループですることでほどよい緊張感が生まれ、ほおの筋肉も緩んできました。お腹もほどよく空き、解散。「コミュニケーション不足」や「運動不足」は認知症になりやすい要因です。こんな生活を続けることが、認知症予防の一歩であることを、実践で学んだひとときでした。


 

 

前期第1回 平成29年6月3日(土)

「もし災害がおこったら…心と身体はどうなるの?」

石原 みちる(教育学部 教育心理学科 教授)

2017年度就実公開講座の前期シリーズが開講した。

本年度は新しくなったB館の106大講義室がメイン会場となり、ゆったりとした会場スペースで聴講できるようになった。

前期は教育学部・教育心理学科が担当し、第1回は石原みちる教授による「もし災害がおこったら・・・心と身体はどうなるの?」のテーマで、自然災害に対する市民の心と身体の変化について解説された。

 

人間が制御できない自然災害、特に地震は最近の記憶に新しいが、被災した市民が乗り越える過程は、生命にかかわる恐怖体験、喪失感、避難による日常生活の変化であろう。それらは、トラウマ反応、喪失体験、二次的ストレスをもたらす。これらは誰にでも起こり得る自然な反応であり、回復のために必要なことは、災害時の「心のケア」、安心安全の保障、他者からのサポート、ストレス反応への対処法を知り積極的に実践することである。仮設住宅へ避難、リラグゼーションの実践、トラウマ経験の昇華が望まれる。阪神淡路大震災では住民がバラバラで仮設住宅に避難し孤独死を誘発した反省から、東日本大震災では、地域の絆を破壊しないように仮設住宅への避難は地区単位で行われた。日頃から、減災のために、耐震化や家具の固定、地域コミュニティーの形成、援助資源の知識を深めることが重要であることが指摘された。